テーマは「肉とごはんと時々やさい」 地場野菜や米と合わせた肉料理を提供(mohawk(モホーク)長野さん)

更新日:2023年04月03日

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春日部市では新たな地域産業と雇用創出による地域活性化を図るため、創業5年未満の人で市内の空き店舗を活用して創業を行う人を対象とする「かすかベンチャー応援補助金」の制度があります。この制度を活用し、開業、起業を行う人も増えています。都内飲食店の勤務を経て、令和3年7月に独立開業をされた『肉とごはんと時々やさい mohawk(モホーク)』オーナーシェフ、長野 明さんにお話を伺いました。

テーマは「肉とごはんと時々やさい」地場野菜や米と合わせた肉料理を提供

画像:mohawkの外観

春日部駅東口から徒歩4分。オレンジカラーの看板が目を引く、肉バル『mohawk(モホーク)。中に入るとモダンな落ち着いた空間で、カウンター7席と4人掛け、2人掛けのテーブルが用意されています。

店のテーマは「肉とごはんと時々やさい」。都内の洋食店で働いていた時に、お肉検定の「お肉博士1級」を取得した長野さん。「今、インスタグラムでは“映える”野菜料理を打ち出しているお店が多いですが、肉の破壊力はスゴい!と思っているので、前職で評判の良かった南部鉄器を使った『肉ごはん』をディナーの名物にし、地場産のお米と合わせたら面白いかなと思ったのです。野菜も肉と一緒にいただくと美味しいので、地場の野菜を丸ごと味わえる料理も考案しました」。

コロナ禍、緊急事態宣言下での厳しい船出となりましたが、ランチやテイクアウト(惣菜)の需要を見込んだメニューにも力を入れ、「ボリューム満点で、見た目も味も満足できる」と口コミで広まり、ランチタイムは満席になるほどの繁盛店に。ランチでは「骨付き鶏モモ肉のコンフィー キノコクリームソース」と「短角牛のローストビーフ丼」、ディナーは「ピリッと大人なポテサラ」と「肉ごはん」が人気だと言います。

かすかベンチャー応援補助金制度は開業の大きな助けになった

画像:きっかけを話す長野さん

長野さんは、春日部市のお隣、杉戸町で生まれ育ちました。社会人になり、15年ほど東京にお住まいでしたが、お子さんが小学校に入学するタイミングで地元に帰ろうと3年前から決めていたそうです。「令和2年9月に円満退職しました。そこから杉戸町で開業しようとオーナーさんと話を進めていたのですが、先方の事情が変わり頓挫してしまったのです」。

改めて開業の地に春日部を選んだ理由について、長野さんは次のように話します。「先立って開設したインスタグラムで「#(ハッシュタグ)春日部」をつけていたことで、春日部のフォロワーさんがいたこと。また、春日部は個人店が少なく、チェーン店やラーメン、蕎麦店が多い印象があり、「肉バル」を出店すれば目立つかなと思ったのです。東口周辺エリアは飲食店自体が少ないですが、タワーマンションや大きなジムもあるため、ニーズはあると予測しました。繋がりのあったフレンチレストランのシェフの方から地元の不動産屋さんを紹介していただき、オーナーさんと契約を結ぶことが出来たのです」。

開業に際して「かすかベンチャー応援補助金」を活用した長野さん。「飲食は初期投資が高く、ここは居抜きではなくスケルトンの物件だったので、確実にお金がかかることが分かっていました。補助金制度があるとないのでは大きな差。本当に助かりました」。

商店街の人々やお客さんの温かい応援、支援が嬉しかった

画像:笑顔で話す長野さん

開業までの準備には、多くの人たちの協力があったそうです。

内装の一部は手づくり。漆喰の壁をよく見ると、指で描いたような曲線で、花やキャラクターが描かれていたり、小さな手形もあります。この壁は、大人から子どもまで総勢40人ほどのボランティアと一緒に塗ったそうです。「自分たちで塗れば、周年祭の時に「あそこは私が塗ったの」とか「あの時、楽しかったね」と思い出を語りながら楽しい時が過ごせると思ったのです。あとは、退職してから疎遠になっていた前職時代の常連さんに声をかける理由になると。また、フェイスブックに春日部のまちの情報が集まる掲示板があったので書き込んだところ、4組の市民に参加していただけました。その他、地元の同級生や市役所の職員さん、その家族たち。うちの娘を含めて小学生も何人かいたので、コテではなく手を使ってワイワイ塗りました」と壁を見つめながら、にこやかに微笑む長野さん。

さらに、商店街の人たちや地域の方の応援、支援も心強かったと言います。近所の八百屋さんには「あそこにお店を出すんでしょ、頑張ってね!」と応援していただきましたし、オープンしたての頃に片栗粉を切らしてしまい、お向かいの中華料理店さんに分けていただいたこともあります(笑)。当初、紙のメニューを持って帰ってしまうお客様がいることにも困り、ツイッターで呟いたら近所のお茶屋さんが「ラミネートをしてあげるよ」と声をかけてくれたり、「お惣菜を買うだけだとお店に入りづらいという声を聞いたから、もっと告知をしたら」と商店街の方やインスタグラムのフォロワーさんがアドバイスをくれたり。本当にありがたいことです」。

「mohawk」にはテーマとして掲げていることがもう一つあります。それは「恩返し」。「僕は地元が大好きで帰って来ました。オープンまでには多くのご縁が繋がって今に到るので、これからその方たちや地元に恩返しをしていきたい。そして、地域の方や地元の友達が気兼ねなく集まれる場所にしたいという思いがあります。今まで連絡を取っていなかった中学時代の同級生が来てくれて息子さんの誕生日に利用してくれたり、お店を開いてから予想外に嬉しいことがたくさんあり、本当に良かったなと思っています」。

画像:ボランティアの皆さんと塗った壁

春日部でサスティナブルな食文化を共につくっていきたい

長野さんに今後の展望や夢をお聞きしました。

「自分の性格上、人との繋がりとか、人と何かをやることが好きなので、この店を通じてそう活動をしていきたいと思っています。前職の会社では、経営理念に『地域の生産者と東京の消費者の架け橋になる』を掲げていました。その理念を引き継ぎ、当店では地場産のお米や野菜を使っています。近くのイタリアンレストランの方が、春日部や近隣市町の農家さんと繋がりがあるそうなので、紹介いただき、地場野菜をもっと使っていけたらと考えています」。

さらに、サスティナブル(持続可能な)な食文化を、春日部の皆さんとつくっていくことを大きな目標としています。「安ければいい的な風潮もありますが、農家さんが一生懸命作った野菜を買い叩かずに適正な価格で仕入れ、そこに付加価値を乗せてお客様にきちんと評価していただくことを目指しています。僕の家族も生産者も互いに損をすることなくきちんと生活ができ、継続していくことが出来るのが理想です。春日部の皆さんにもご理解いただき、ともに食文化の価値を上げていけたらと思っています」

コラボレーションやイベントも構想 お客さん同士が繋がるハブになりたい

また、今後はコラボレーションもしていきたいと話す、長野さん。「色々なご縁が重なってお知り合いになった方が作られている春日部産の天然はちみつを使って何かをやったり、他のお店とも何か一緒に出来たら面白いなと思っています。新メニューの開発もしていく予定ですが、テーマに『肉とごはん…』と言っているので、地場産の米で作った米粉のパスタやパンを提供したいと考えています」。

 

今は一人でお店を切り盛りし、忙しい毎日を送る長野さんですが、この先のアフターコロナに向けて、イベント等の計画を考える時間が楽しいと言います。「お客さんを集めて農家さんのところへ行き、収穫体験やバーベキューをしたり、大きなブロック肉を皆んなで食べるなどイベントを開催したいですね。そうすれば自ずとコミュニティーが広がっていく。当店が真ん中にあってお客さん同士が繋がれるハブになれたらいいなと思っています」。

春日部で開業や起業を考えている人に長野さんからのメッセージ

最後に春日部で開業、起業を考えている人にメッセージをいただきました。「春日部で開業して分かったことは、商店街や行政の方を含め、『春日部をなんとかしなくちゃ』『盛り上げていきたい』という気持ちを持った方がたくさんいることです。何かを始めようとする人を応援し、困っている人がいたら助けてくれる。そんな優しい方たちがいるまちなので、開業、起業を考えている人にはおすすめです!」

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