市長の令和5年度施政方針(令和5年2月14日)

更新日:2023年02月14日

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令和5年3月春日部市議会定例会に提案させていただきます、令和5年度予算をはじめ、これに関連する議案の審議をお願いするにあたり、市政に関する所信の一端を申し述べ、議員各位をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力をいただきたいと存じます

1.はじめに

令和3年の11月、市民の皆さまのご信任を賜り、春日部市政を担わせていただいてから早や1年3カ月が過ぎました。市長就任以来、私の公約でもある新型コロナウイルス感染症への対応を最優先の課題とし、市民の皆さまのいのちと暮らしを守るため、全力で市政運営に取り組んでまいりました。

これまで、医療従事者の皆様をはじめとして、市民の皆さま、事業者の皆さま、そして、市議会議員の皆さまのご理解とご協力に深く感謝申し上げます。

さて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大から3年が経過し、昨年10月から続いた第8波も、県内においてはようやくピークを越えたものと認識しております。また、政府より、この春に感染症法上の位置づけを「2類相当」から「5類」へ引き下げる方針が示され、今後の新型コロナウイルス感染症の対策においては、大きな転換点を迎えることになると考えております。

引き続き、国の動向を注視するとともに感染症対策をしっかりと行いつつ、今後は、ウィズコロナ・アフターコロナを基本として、社会経済活動との両立を進め、日常を取り戻すべく取り組んでまいります。

長引くコロナ禍の影響に加え、昨年から、ウクライナ情勢や急激な円安に伴う原油価格や物価の高騰により、市民生活や地域経済は大変厳しい状況にあるものと認識しております。

このため、令和4年度におきましては、新型コロナウイルス感染症対策と併せて、市民や事業者の暮らしを守るため、さまざまな支援策を講じてきたところでございます。

具体的には、低所得世帯に対する給付金の支給をはじめとして、売り上げが減少した事業者に対する給付金の支給、原油価格高騰の影響を受けている運送事業者や農業経営者に対する燃料費の支援、物価高騰の影響を受けている介護事業者や保育所などの福祉施設に対する補助金の支給、食材料費の高騰分を学校給食費に転嫁しないための助成など、議会からのご要望に対してスピード感を重視しつつ、きめ細かな対応を図ってきたところでございます。

今後におきましても、こうした社会情勢の変化や新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえるとともに、国・県の動向などを注視しながら、必要な支援に取り組んでまいります。

一方、令和4年度は、国の基本的対処方針によるイベント開催の制限が緩和され、春日部夏まつりをはじめ、産業祭や農業祭、かすかべ音楽祭などの大型イベントを規模の縮小などを行いながらも再開することができました。こうした行動制限の緩和や「新しい生活様式」の定着もあり、感染予防を行いながらも、少しずつではありますが、市内の活気や日常が戻りつつあるものと実感しております。

さらに、本市の発展に欠かせない大型事業である、春日部駅付近連続立体交差事業につきましては、東口の仮駅舎への切り替えが完了した他、富士見町地下道の出入口を移設する工事や、北春日部駅方面の仮線路の設置工事が進められ、順調に進捗しているところでございます。

また、まちなかにも動きが見られ、昨年は中心市街地に二つのビジネスホテルがオープンするなど、着実に連続立体交差事業の効果が現れはじめていると考えており、今後もさらなる事業者の出店などに期待が高まるところでございます。

新しい春日部駅につきましては、市民の皆さまの期待も大変大きいものと認識しておりますので、市の玄関口としてふさわしい駅となるよう、令和5年度も引き続き、埼玉県、東武鉄道 株式会社としっかりと連携を図りながら進めてまいります。

また、令和5年度は新本庁舎の完成・移転を控え、春日部市政の新たな一歩を踏み出す歴史的な年であります。新本庁舎につきましては、行政手続の面では、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進することで、利便性が高く、機能的でだれもが利用しやすい市役所とするとともに、防災拠点としての機能、さらには、人々が集い、さまざまな交流が生まれ、にぎわいを創出する空間づくりなど、複合的な機能や役割を併せ持つ、時代の変化に対応した市役所としてまいります。

ウィズコロナ・アフターコロナ時代への対応をはじめとして、人口減少や少子高齢化、財源の確保など、本市が抱える課題はさまざまございますが、市民の皆さまが「春日部に住んで良かった、住み続けたい」と思っていただけるよう、引き続き、全力で市政運営に取り組んでまいります。

2.市政運営における基本的な方向性と重点施策

こうした決意を込め、はじめに、令和5年度の市政運営における基本的な方向性と重点施策について申し上げます。

【第2次春日部市総合振興計画後期基本計画のスタート】

令和5年度は、「第2次春日部市総合振興計画後期基本計画」のスタートの年となります。

第2次春日部市総合振興計画に基づく取り組みにつきましては「前期基本計画」において着実な成果が見られる一方、人口減少・少子高齢化の進行、安心安全に対する意識の向上、SDGsやデジタル化の推進、ウィズコロナ・アフターコロナに対応した「新しい生活様式」など、本市を取り巻く環境は日々変化しております。

私は、こうした課題に対応するため、約1年の時間をかけ「前期基本計画」の検証を行うとともに、市民の皆さまや議員の皆さまから多くのご意見をいただきながら「後期基本計画」を策定いたしました。

令和5年度からは、この計画に位置づけた各施策に基づき、効果的な市政運営を進めてまいります。

【健幸プロジェクト】

「後期基本計画」では、本市が抱える主要課題の解決と、目指すべき将来像の実現のため、五つのテーマで構成する重点プロジェクトを設定し、これらを総称して「健幸プロジェクト」としたところでございます。

「健幸プロジェクト」とは「健やか」に「幸せ」と書いて、「健幸」とし、人もまちも健康で、すべての人が幸せになってほしいという思いを込めたものでございます。

市民の皆さまが住み慣れた地域で安心して生きがいをもって暮らせるよう、次に掲げる五つのプロジェクトを重点的・全庁横断的に進めてまいります。

(1)健康をはぐくむまちプロジェクト

1点目のプロジェクトは「健康をはぐくむまちプロジェクト」でございます。

長引くコロナ禍による人々の健康意識の高まりや人生100年時代と言われる超高齢社会となった現在において、だれもがその人らしく健やかに過ごせる環境づくりが必要であると考えております。引き続き、新型コロナウイルス感染症への対応をしっかりと行うとともに、介護予防や健康づくり・生きがいづくりの取組を推進し、子どもから高齢者まで、市民の皆さまの健康増進を図ってまいります。

また、子どもから高齢者まで幅広い世代の方が、スポーツ・レクリエーション活動に利用できる環境を早期に整備するため、大沼陸上競技場のリニューアルに着手してまいります。

(2)子育て世代に選ばれるまちプロジェクト

2点目のプロジェクトは「子育て世代に選ばれるまちプロジェクト」でございます。

全国的に大きな課題となっている少子化の進行に加え、コロナ禍の影響を受けている子どもや家庭への対応が求められる中、子どもが健やかに成長していく環境を築いていくためには、「子育て」と「学び」の両面においてしっかりと支援をしていく必要があると考えております。

「子育て支援」につきましては、こども医療費の助成や保育環境の充実に加え、貧困やヤングケアラーなど、コロナ禍で新たに浮き彫りとなった課題に対し、相談体制を充実し、きめ細かな支援を行ってまいります。

「学びの支援」につきましては、確かな学力を育む特色ある教育に取り組むとともに、児童生徒一人ひとりに着目した英語力の向上に取り組んでまいります。また、学校施設の長寿命化に向けた対応として、葛飾中学校のリノベーション工事のための実施設計に着手し、生徒が快適に学習できる環境整備に努めてまいります。さらに、子どもの泳力向上や老朽化する学校プールの対応として、民間プール事業者への委託を進めるとともに、中長期的な視点から、学校の水泳授業のほか、市民の皆さまも利用できる温水プールの整備について取り組んでまいります。

(3)特長を生かしたしごとを創出するまちプロジェクト

3点目のプロジェクトは「特長を生かしたしごとを創出するまちプロジェクト」でございます。

本市は、鉄道と広域幹線道路の結節点といった交通の要衝として大きな強みを有しております。

ウィズコロナ・アフターコロナ社会や産業・都市構造の変化に対応するとともに、本市の強みや魅力を広く発信し、企業の立地意向や創業希望などの状況に応じた企業誘致や創業支援を推進し、雇用機会の拡大を図ってまいります。

また、東埼玉道路の沿道となる赤沼・銚子口地区産業基盤整備につきましては、早期着手に向け、埼玉県としっかりと連携を図りながら、スピード感をもって取り組んでまいります。

農業の振興におきましては、農業経営者の高齢化や担い手不足などの課題が深刻となる中、農業以外からの新規参入者や企業の農業参入など、多様な農業の担い手の育成や確保に努めてまいります。

また、昨年に旧富多小学校跡地を活用してオープンした「春日部みどりのパーク共同事業体」と連携し、持続可能な農業経営の支援に取り組んでまいります。

(4)地域力を高めるまちプロジェクト

4点目のプロジェクトは「地域力を高めるまちプロジェクト」でございます。

春日部駅周辺におきましては、春日部の中心地として相応しい都市機能の集約や商店街としての魅力向上が求められております。

春日部駅付近連続立体交差事業をはじめとして、中央通り線の整備、中央一丁目地区の再開発事業、新本庁舎整備などを着実に進め、中心市街地の活性化を図ってまいります。

北春日部駅周辺地区土地区画整理事業につきましては、駅に近接している立地環境を生かして、子育て世代を中心としたあらゆる世代から選ばれる“まち”を目指し、行政と住民、民間事業者が一体となって、利便性の高い魅力ある住環境の整備に努めてまいります。

(5)安心安全で魅力あるまちプロジェクト

5点目のプロジェクトは「安心安全で魅力あるまちプロジェクト」でございます。

人口減少・少子高齢化やコロナ禍の影響などにより、コミュニティが希薄化する中、近年の地震や大規模な風水害の発生、犯罪の多様化など、市民の安心安全の確保に向けた課題は複雑化しており、さらなる防災・防犯体制の重要性が高まっております。

このため、地域における防災力を強化するため、避難所開設や運営などの実践的な防災訓練を通じて、自助・共助の取り組みの強化を図ってまいります。

さらに、地球温暖化に伴う気候変動に対応した避難所環境整備のため、避難所となっている小中学校体育館に空調設備の整備を行ってまいります。

犯罪の未然防止に向けた取り組みにつきましては、街頭防犯カメラの更新や修繕など、適正な維持管理を行うとともに、子どもに対する犯罪被害防止のため、通学路に防犯カメラの増設を行ってまいります。

コミュニティの活性化につきましては、市民活動センター、公民館その他の施設を地域づくりの拠点機能を併せ持つ施設として機能の充実を図ってまいります。

令和5年度は新本庁舎への移転や「第2次春日部市総合振興計画後期基本計画」がスタートする年であり、輝かしい春日部の未来へ向けた大きな一歩を踏み出す年であります。

まちの将来像である「つながる にぎわう すまいるシティ 春日部」の実現に向け、議員の皆さまのご協力をいただきながら、市政運営に取り組み、私自身が先頭に立ち、職員と一丸となって、まちづくりに取り組んでまいります。

3.予算編成の概要

令和5年度の当初予算につきましては、先に申し述べた後期基本計画における五つの重点プロジェクトに掲げた事業を中心とした予算編成に取り組みました。

また、ウィズコロナ・アフターコロナ時代への対応や、未来に向けたまちづくりの骨格となる事業を着実に推進できるよう、編成したところでございます。

以上を予算編成の視点としつつ、他の施策とのバランスを考慮した結果、令和5年度当初予算の額につきましては、一般会計予算897億円、対前年度比で88億7,000万円の増額、比率では史上最大規模の11.0パーセント増の予算額となるものでございます。

また、特別会計予算は489億9,612万5千円、公営企業会計予算は284億1,504万2千円、全会計予算総額1,671億1,116万7千円となるものでございます。

4.主な施策の概要

続きまして、「第2次春日部市総合振興計画後期基本計画」における七つの分野別に、主な取り組みを、順次、説明申し上げます。

■基本目標1 子育て・教育分野

はじめに、基本目標1「子どもが幸せに育ち、生きる力をはぐくむまち」を目指す「子育て・教育分野」でございます。

安心して子育てできる切れ目のない支援につきましては、妊娠期から出産・子育てまで一貫した伴走型相談支援の充実を図るとともに、妊婦などに対する経済的支援として、妊娠届出時及および出生届出後に合わせて10万円の支給を、早期に開始してまいります。

また、出産後の産婦の身体と心の不調や育児に不安がある方、家族などから十分な支援が得られない方などを対象として、産後ケア事業を開始いたします。

さらに、ひとり親家庭への経済的な支援として、離婚によって子どもが受ける心理的・経済的負担を最小限にとどめ、子どもの健やかな成長を促すため、養育費に関する公正証書を作成する際の補助などを開始し、併せて無料の弁護士相談を拡充することで、養育費の継続的な受取のための支援を行ってまいります。加えて、ファミリー・サポート・センターを利用する際に、補助を行ってまいります。

「生きる力」を育む学校づくりの推進につきましては、市内公立中学校2年生および義務教育学校後期課程8年生を対象として「生徒の英語力」および「次の学習へ向かう意欲」の向上が期待できる、スコア型テストを導入いたします。

充実した学校環境づくりの推進につきましては、学校プールの老朽化が進んでいる状況を踏まえ、水泳授業のあるべき姿の実現と、財政的に持続可能なプール設備の両立を目指し、温水プール整備基本構想の策定に取り組んでまいります。

また、児童生徒の学校環境の改善を図るため、小学校校舎のトイレの改修や、葛飾中学校のリノベーション工事に向けた実施設計を行ってまいります。

さらに、教員の授業準備の補助などを行う「スクール・サポート・スタッフ」や、中学校および義務教育学校後期課程における部活動に対する専門的な知識・技能を持つ部活動指導員の増員、学校給食費の公会計化により、教員の負担軽減や、教員がより児童生徒への指導や教材研究に注力できる体制づくりを進め、児童生徒への指導の充実を図ってまいります。

■基本目標2 福祉・保健・医療分野

次に、基本目標2「いつまでも健康でいきいきと暮らせるまち」を目指す「福祉・保健・医療分野」でございます。

高齢者の生きがいづくりの推進につきましては、高齢者におけるデジタル機器に対する不安を解消し、情報格差を解消するため、引き続きスマートフォンの操作方法などを学ぶ講座を開催してまいります。

また、高齢者が生きがいを持って、住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを続けていくことができるまちづくりを進めるため、「第9期春日部市高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画」を策定してまいります。

さらに、施設の老朽化などにより、庄和高齢者憩いの家を庄和市民センター正風館に移転するための設計を実施してまいります。

介護予防の推進と介護サービスの充実につきましては、事業開始2年目となる、東京大学高齢社会総合研究機構との連携により、加齢に伴う運動機能の低下など、自身の状態変化に対する「気づき」を促す「フレイルチェック」を、1年目の実績を踏まえ、より充実させてまいります。

障がい者(児)の生活支援の充実につきましては、国の基本指針に基づき、障がいのある人の地域生活を支援するためのサービスに係る成果目標を設定するとともにサービスの必要量を見込み、その提供体制を確保するための「第7期春日部市障害福祉計画」を策定してまいります。

健康づくりと病気予防の充実につきましては、「春日部市健康づくり計画・食育推進計画・自殺対策計画」の次期計画の策定に向けて、市民の生活習慣の実態を把握するため、アンケート調査を行ってまいります。

また、春日部市食生活改善推進員協議会による、食生活の改善に向けた事業協力を拡充し、市民の皆さまの食を通じた健康づくりを進めてまいります。

地域医療提供体制の充実につきましては、容態の急変しやすいお子さんを育てる世帯に安心な環境を提供し、平日夜間における小児の一次救急医療体制の充実を図るため、引き続き、春日部市小児救急夜間診療所を運営してまいります。

市立医療センターの基幹機能の充実につきましては、高度医療を担う急性期病院として、救急医療や地域で不足する専門医療の充実を図るとともに、他の医療機関との連携を強化しながら、地域の基幹病院としての役割を担ってまいります。

また、地域周産期母子医療センターの認定を目指し、体制の充実に取り組んでまいります。

■基本目標3 市民参加・文化・スポーツ分野

次に、基本目標3「市民が主役となって活躍し、生きがいを持てるまち」を目指す「市民参加・文化・スポーツ分野」でございます。

市民参加と協働の推進につきましては、市民が主役のまちづくりを推進するため、「春日部市市民参加と協働指針」の見直しを行ってまいります。

人権を尊重するまちづくりの推進につきましては、多様な性のあり方に対する理解促進や性の多様性を尊重する社会の実現を目指し、パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度を創設してまいります。

文化・芸術の創造と振興につきましては、市民の皆さまが安全に利用できるよう、市民文化会館の大ホールなどの天井について、落下防止対策工事などを実施してまいります。

郷土の歴史と文化遺産の保存と活用につきましては、国の史跡に指定された神明貝塚を確実に保存、活用するため、公有地化に向けた土地購入などを進めてまいります。

スポーツ・レクリエーション活動の推進につきましては、創意工夫を凝らした上で、春日部大凧マラソン大会を4年ぶりに開催するとともに、大沼陸上競技場のリニューアルとして、陸上トラックを備えた芝の多目的広場の整備に向けた、基本設計および実施設計を行ってまいります。

■基本目標4 環境・防災・生活分野

次に、基本目標4「恵まれた自然の中で安心安全に暮らせるまち」を目指す「環境・防災・生活分野」でございます。

環境にやさしい持続可能な取組の推進につきましては、見直しを行った「第2次春日部市環境基本計画」に基づき、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロとする「ゼロカーボンシティ」の実現に向け、市役所本庁舎などで使用する電力を、引き続き再生可能エネルギー100パーセントとするほか、一般家庭における太陽光発電設備などの環境配慮型設備設置の奨励に取り組んでまいります。

ごみ減量・リサイクルの推進につきましては、約30年間残置されている旧ごみ焼却施設解体撤去および新設ストックヤード整備工事の実施設計を開始するとともに、引き続き、クリーンセンター基幹的設備改良工事を行ってまいります。

地域の強靱化と防災力の向上につきましては、避難所の環境改善のため、市内の避難所のうち、特に避難施設として大空間を持ち、多くの避難者を受け入れる小中学校体育館について、順次、空調設備の整備を進めてまいります。

消防・救急・救助体制の充実・強化につきましては、老朽化した武里分署の移転・建て替えを行うとともに、豊野分署の耐震補強工事を行ってまいります。

また、災害発生時における消防の指令業務に関する情報の一元化や、近隣自治体との相互応援による災害対応への向上などのため、埼玉県東南部地域6市1町の5消防本部における消防指令業務の共同運用に向けた準備を進めてまいります。

犯罪抑止のまちづくりの推進につきましては、市民に対する安全なまちづくりのため、既設防犯カメラの維持管理を行い、さらなる犯罪発生への抑止を図ってまいります。

安全・安心で豊かな消費生活の推進につきましては、消費生活センターの充実を図るために、国が主催する相談員レベルアップ研修に積極的に参加してまいります。

また、高齢者や、年齢が引き下げられた成人など、さまざまな消費者からの相談内容を分析しつつ、消費生活講座について、充実を図ってまいります。

■基本目標5 観光・産業・経済分野

次に、基本目標5「地域の資源を活かした魅力あふれるまち」を目指す「観光・産業・経済分野」でございます。

観光資源の魅力向上と来訪者の滞在環境の充実につきましては、庄和北部地域の新たな観光資源の創出を目指し、旧宝珠花小学校跡地を活用した地域の交流や文化・歴史を発信できる施設に向け、改修工事を進めてまいります。

また、第4期としてスタートする「かすかべフードセレクション」を、市内外へ広くPRすることで、食のブランド化を推進してまいります。

身近で活気あふれる商業環境の充実につきましては、外部の専門家の支援を受けながら、地域の商店街におけるリーダーや新たな協力者の発掘、育成などに取り組む「スクラム商店街プロジェクト事業」を進めてまいります。

また、旧商工振興センター跡地については、にぎわいの創出、中心市街地の活性化を図るため、国の労働庁舎やスーパーマーケットなどを擁する複合施設を民間活力導入により、令和7年度中の開設に向けて、国や民間事業者などと連携・調整を進めてまいります。

持続可能な農業の環境整備につきましては、小平地区の埼玉型ほ場整備事業において、地域の農地を集積し、将来にわたって農業の担い手が耕作を続けていけるよう、水田の区画拡大や道路、用排水路の整備を、引き続き、埼玉県と連携して事業を進めてまいります。

また、自然災害などのリスクに備えるため、農業保険への加入を促進し、持続可能な農業経営の支援に取り組んでまいります。

魅力ある農産物の生産と消費拡大につきましては、「春日部産米を活用した食の新たな地域ブランド創出に向けた実証実験」における米粉麺の取組を一層充実させていくほか、新たな試みとして「パン」や「お菓子」などに適した米粉適正米の実証実験にも取り組んでまいります。

■基本目標6 都市基盤分野

次に、基本目標6「人々が集い、にぎわいのある快適なまち」を目指す「都市基盤分野」でございます。

魅力とにぎわいのある中心市街地の創出につきましては、春日部駅付近連続立体交差事業において、東武伊勢崎線上り線の仮のホームや線路の設置に向けた工事が開始されました。また、春日部駅西口の中央一丁目地区では、権利者による市街地再開発事業が計画されており、連続立体交差事業の進捗にあわせた検討が行われております。市民の皆さまをはじめ利用者にとっても利便性の高いものとなるよう、引き続き、埼玉県、東武鉄道 株式会社、再開発準備組合などと連携して事業を進めてまいります。

計画的な土地利用の推進につきましては、コンパクトで魅力的なまちの構築に向けて、北春日部駅周辺地区の土地区画整理事業を推進し、併せて、県が「日本一暮らしやすい埼玉県」の実現を目指して取り組む、「埼玉版スーパー・シティプロジェクト」について、調整を行い、具体化してまいります。

また、国道4号東埼玉道路の沿道となる赤沼・銚子口地区においては、新たな産業集積を図るため、市街化区域への編入に向けた国・県との調整を行ってまいります。

安全で利便性の高い道路網の整備につきましては、春日部駅東口など駅周辺を中心としたバリアフリー化や、通学路における安全対策を実施するなど、市民の皆さまの利便性向上や安全性の確保を図ってまいります。

また、橋りょうの計画的・効率的な管理を図るため、「橋りょう長寿命化修繕計画」に基づき、藤塚橋の歩道部分について補修工事を実施してまいります。

親しみのある公園の形成と緑化の推進につきましては、内牧公園の健康器具や大池親水公園、藤塚第2公園の遊具を更新するとともに、地域の皆さまとの意見交換を踏まえ、大沼第2公園のリニューアル工事を進めてまいります。

また、新本庁舎移転後の市役所跡地において整備を予定しております中央町第1公園の整備におきましては、基本設計を実施し、新しい時代の本市の中心市街地にふさわしい、魅力ある公園となるよう取り組んでまいります。

総合的な治水対策の推進につきましては、100mm/h安心プランに位置づけられた安之堀川関連の改修工事を引き続き実施するとともに、谷原排水区の管きょ整備に着手してまいります。さらに、旧古隅田川などの大規模な浚渫を実施することで、浸水・冠水被害の軽減を図ってまいります。

■基本目標7 行財政分野

次に、基本目標7「市民の期待に応え、信頼される行政を推進するまち」を目指す「行財政分野」でございます。

自治体DXに基づく戦略的・計画的な行政運営の推進につきましては、「第4次春日部市行政改革大綱」に基づき、自主財源の確保や、デジタル新技術の活用による業務効率化などに取り組み、時代の変化に対応した持続可能な行政運営を推進してまいります。

公有財産マネジメントの推進につきましては、持続可能な次世代のためのまちづくりに向け、施設総量の適正化などの取り組みを着実に推進するとともに、未利用地や、今後の施設再編などにより生じる跡地の処分を含めた効率的・効果的な活用方法を検討してまいります。

自治体DXの推進と窓口サービスの向上につきましては、「春日部市デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」に基づき、市民の方が住民異動などの手続きの際に、窓口で申請書の氏名、住所、生年月日などの記入を省くことができる「書かない窓口」を導入するほか、多言語を利用される方や手話が必要な方に向けて、行政用語の翻訳・手話通訳に対応したAI翻訳タブレットを導入し、市民サービスの向上に努めてまいります。

シティセールスの推進につきましては、第3弾となる「クレヨンしんちゃん絵はがきセット」を作成いたします。

また、個人向けのふるさと納税制度におけるお礼品の拡充・PRの強化や、企業版ふるさと納税制度の活用など、税外収入の確保におきましても積極的に取り組んでまいります。

以上、令和5年度を迎えるにあたりまして、市政運営の基本的な考え方と主な施策の概要を申し述べさせていただきました。

令和5年度は、「第2次春日部市総合振興計画後期基本計画」がスタートする年となります。まちの将来像の実現に向けて、本計画に位置づけた取り組みを着実かつ効果的に展開し、市民の皆さまが「健やか」で「幸せ」な暮らしを実感し、「春日部に住んで良かった、住み続けたい」と思っていただけるようなまちづくりを進めてまいります。

そして、この一年が春日部市のさらなる飛躍に向けた確かな一歩となるよう、市民の皆さまの声にしっかりと耳を傾けるとともに、議会の皆さまのお力添えをいただきながら、職員と一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。

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