市長の令和6年度施政方針(令和6年2月14日)

更新日:2024年02月14日

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令和6年3月春日部市議会定例会に提案させていただきます、令和6年度予算をはじめ、これに関連する議案の審議をお願いするにあたり、市政に関する所信の一端を申し述べ、議員各位をはじめ、市民の皆さまのご理解とご協力をいただきたいと存じます

1.はじめに

はじめに、元日に発生した令和6年能登半島地震にて、お亡くなりになられた方のご冥福をこころからお祈りするとともに、被災された皆さまにお見舞い申し上げます。
本市では、被災地支援のため、被災地支援対策本部を設置するとともに、国・埼玉県等の要請に応じて職員、民間事業者、給水車を被災地へ順次派遣しております。
今後も国・埼玉県等の要請に応じて、必要な支援を行ってまいります。
義援金につきましては、市内の13カ所に募金箱を設置し、多くの皆さまにご支援いただいており、改めて感謝申し上げます。
さて、本日は、本市の新たな歴史の幕開けとなる、新庁舎開庁後、初の定例会でございます。この新たな議場で、市民の皆さまの負託に応えるべく、議員の皆さまと活発に議論を尽くしてまいりたいと考えております。
庁舎が新しくなり「人に優しく災害に強い、市民に親しまれる庁舎」として、サービスも良くなったと市民の皆さまに感じていただけるよう、議員の皆さまのご協力をいただきながら、職員一丸となって、全身全霊で取り組んでまいります。
昨年は、新型コロナウイルス感染症が「5類」へ移行し、行動制限が解除となり、市内の大型イベントをはじめ、さまざまな事業がコロナ禍前に近い規模で開催され、ようやく人々のにぎわいが戻ってきたと感じております。
また、昨年は、WBCの侍ジャパン(日本)の世界一を皮切りに、ラグビー、バスケットボール、バレーボールにおけるワールドカップでの日本代表の健闘など、さまざまな競技において、日本スポーツ界が飛躍した年でありました。
長く続いたコロナ禍を吹き飛ばすかのように、日本中に元気と感動を与え、改めてスポーツの力を感じた1年であったと実感しております。
こうしたことをきっかけに、多くの子どもたちが夢や希望を持ち、将来に向かって挑戦し、未来を切り拓いていってほしいと願っています。
さて、厳しい国際情勢や円安の影響などにより、依然として電力・ガス・食料品等の物価高騰による影響は根強く、いまだに、市民の皆さまのくらしや、事業者の経営に大きな影響を与えています。
このため、令和5年度は、物価高騰により影響を受けた市民、事業者の皆さまに対し、国・県の方針を踏まえ、本市の実情に応じて必要なさまざまな支援を実施してまいりました。
具体的には、ご家庭におけるエネルギー費用の負担を軽減するため、省エネ家電の買い替えに対する補助や、商店街の事業継続を目的とした応援金の給付、各自治会に対する給付金の支給など、さまざまな支援を行ってきたところでございます。また、昨年の12月に議決をいただきました、プレミアム付商品券の発行、給食費の負担軽減、住宅リフォームの助成につきましても、スピード感をもって取り組んでいるところでございます。

2.まちづくりの取組

本年1月に新庁舎が開庁してから、関係各位のご支援やご協力により、順調に市民サービスが提供できているものと認識しております。新庁舎建設の際には、クラウドファンディングを実施したところ、目標金額を大きく上回るご支援をいただくことができ、改めて感謝申し上げるところでございます。
今後は、まちなかひろばを中心にさまざまなイベントを開催するなど、にぎわいの創出も図ってまいりたいと考えております。
行政手続の面では、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の取り組みとして、新庁舎の開庁とともに、住民異動などの手続において、手続に来られた方からの聞き取りにより職員が申請書を作成する「書かない窓口」や、行政用語の翻訳・手話通訳に対応した「AI翻訳タブレット」を導入したところでございます。
より一層DXを推進し、利便性が高く、機能的でだれもが利用しやすい市役所とするとともに、災害拠点としての機能、さらには、人々がつどい、にぎわいを創出する、複合的な機能や役割を併せ持つ市役所としてまいります。
本市の玄関口となる春日部駅付近連続立体交差事業では、令和3年度から移設工事を進めておりました富士見町地下道東口側出入口が昨年9月から供用開始となり、以前よりも緩やかな勾配で、より安心に利用しやすいものとなりました。また、既存の浅草寄りのこ線橋と東口仮駅舎を結ぶ南北連絡通路が今月3日に供用されるなど、目に見える形で工事が進められております。
地域公共交通を支える「春バス」の運行につきましては、「第四次春バス運行計画」に基づき、利便性を高め、より多くの方に利用していただけるよう、駅を中心とした「粕壁~幸松地区ルート」「武里駅~豊春駅ルート」「庄和地区ルート」の三つのルートに再編いたしました。
春日部市立医療センターにつきましては、昨年7月に埼玉県から「地域周産期母子医療センター」に認定され、これまで以上にリスクの高い新生児や母体に対してより高度な医療的ケアが可能となりました。また、昨年12月には、埼玉県から「災害時連携病院」として指定されたところでございます。
地球温暖化に伴う自然災害の激甚化や能登半島地震の発生など、いつ起こるか分からない自然災害に対する防災・減災への取り組みは、年々重要性を増しております。こうした状況に対応するため、市内全68避難所の中で、特に避難施設として大空間を持っている小学校・中学校・義務教育学校34校のうち21校に対して、空調設備の整備に向けた実施設計や工事に着手いたしました。
大沼陸上競技場の改修につきましては、スポーツ・レクリエーション活動の振興と地域の活性化を図るため、経年劣化に伴いグラウンドのコンディションが良好でない既存の陸上競技場を、グラウンドゴルフ、陸上競技、サッカー、運動会など、多目的に利活用できる場とするリニューアル整備の早期実現に向けて、基本・実施設計に着手してまいりました。
春日部産米を活用した食の新たな地域ブランド創出に向けた取り組みにつきましては、米粉麺や米粉パンなどに適した品種である「亜細亜のかおり」や「笑みたわわ」を栽培し、商品開発などの実証実験を行うとともに、ブランド化に向けたネーミングや、流通過程の仕組づくりの検討を進めてきたところでございます。

3.本市を取り巻く環境

新型コロナウイルス感染症が「5類」へ移行し、市内の大型イベントはコロナ禍前に近い規模で開催することができました。また、昨年の海外からの訪日客数は、コロナ禍前の2019年の約8割に回復し、インバウンド需要は非常に高まっております。
一方、長く続いたコロナ禍の影響により、地域コミュニティの機能が低下し、住民同士のつながりの希薄化が危惧されております。
いつ起こるか分からない大地震などの自然災害への備えとして、防災意識の向上や地域のコミュニティ力を高めていくことが極めて重要であり、これらの対応は喫緊の課題と認識しております。
全国的な課題である少子化対策におきましては、国は「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針」の中で、常にこどもの最善の利益を第一に考え、こどもに関する取組・政策を社会の中心に据えて、こどもの視点で、こどもを取り巻くあらゆる環境を視野に入れ、こどもの権利を保障し、こどもを誰一人取り残さず、健やかな成長を社会全体で後押しする「こどもまんなか社会」の実現を目指しております。
本市におきましては、転入者が転出者を上回る人口の社会増の傾向が見られるものの、全国的な傾向と同様に、少子化は進んでおり、子育て支援策や特色あるまちづくりなど本市のポテンシャルを生かした取り組みを効果的に進めていく必要があるものと認識しております。
脱炭素の取り組みにつきまして、国は、2050年カーボンニュートラルの実現に向け2030年度温室効果ガス排出量の2013年度比46パーセント削減を目指し、再生可能エネルギーの最大限の導入などを掲げ、成長戦略の一つとしています。そのため、ゼロカーボンシティを宣言し、国と同様の排出削減目標を掲げている本市におきましても、市民、事業者の皆さまにご協力いただきながら、環境問題に真正面から取り組まなければならないものと捉えております。
国におけるDXの動向といたしましては、昨年改訂された総務省の「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」において、デジタル技術を有効に活用することにより、住民と自治体との接点の多様化・充実化に取り組み、多様な住民ニーズに対応することで、行政サービスのさらなる向上に繋げていくことが求められています。
こうしたさまざまな課題がございますが、行政だけですべてを解決していくには限界がございます。今後は、官民連携や地域連携を積極的に取り入れ、市民、事業者の皆さまと一丸となって取り組んでいくことが重要であると考えております。

4.市政運営における基本的方向性

後期基本計画 健幸プロジェクトの推進

令和5年度からスタートした「第2次春日部市総合振興計画後期基本計画」が2年目を迎えます。
本市が重点的に取り組むべき主要課題を戦略的に解決し、目指すべきまちの将来像の実現のため、引き続き「健幸プロジェクト」に掲げる「健康をはぐくむまちプロジェクト」「子育て世代に選ばれるまちプロジェクト」「特長を生かしたしごとを創出するまちプロジェクト」「地域力を高めるまちプロジェクト」「安心安全で魅力あるまちプロジェクト」の五つのプロジェクトを重点的・分野横断的に展開してまいります。
具体的には、市民の皆さまの心身の健康に関する事業につきましては、コロナ禍を経た市民の皆さまの健康づくりに対する意識や生活習慣の変化等、社会の変化を踏まえ、健康づくり計画を策定するとともに、高齢者の介護予防や心のケアなど、市民の皆さまの健康づくりの推進に関する施策を積極的に推進してまいります。
また、コロナ禍で希薄化した地域コミュニティの醸成や大地震などの自然災害への対応を図るため、現在の公民館機能に新たに地区センターの機能を加え、地域コミュニティの活性化や防災意識の向上に努めてまいります。
地区センターにつきましては、市内8地区において中心的な役割を果たしている公民館等に設置し、現在の公民館機能に「地域まちづくりの拠点としての機能」「防災・防犯の拠点としての機能」「子どもの居場所づくりとしての機能」「各種証明書発行の機能」の四つの機能を追加し、しっかりと利用者、関係団体の意見を伺いながら運営してまいります。
国が掲げる「こどもまんなか社会」の実現につきましては、こども計画を策定し、こども、若者の意見を施策に反映させるための方策を講じることにより、こどもを取り巻くあらゆる環境を視野に入れ、誰一人取り残さず、健やかな成長を後押ししてまいります。
人口減少・少子高齢化に対する取り組みにつきましては、特定の分野だけではなく、雇用や住環境の充実、子育て施策などの総合的な取り組みが必要であるものと考えております。そのため、「第2次春日部市総合振興計画後期基本計画」の「子育て世代に選ばれるまちプロジェクト」を含む五つの重点プロジェクト「健幸プロジェクト」を中心に、各施策をバランスよく総合的に展開することで、出生率の向上や転入促進の両方の視点で、全庁的に取り組みを進めてまいります。
ゼロカーボンシティを実現する取り組みにつきましては、全庁を挙げて、組織横断的に取組を進めるとともに、市民、事業者の皆さまとの協力が不可欠でございます。このような取り組みを推し進めるため、昨年7月に「ゼロカーボンシティ推進本部」を設立し、15の協力事業者に参画していただき、「ゼロカーボンシティ かすかべモデル」の構築を進めております。このように、市民、事業者の皆さまと行政が一丸となって、環境にやさしいまちづくりをさらに進めてまいります。
DXの推進につきましては、市民サービスのさらなる利便性の向上を図るため、「春日部市DX推進計画」に基づき、本計画に位置づけた取り組みをスピード感をもって進めてまいります。
持続可能な行政サービスを提供するため、市税の適正な賦課徴収に努めるとともに、税外収入につきましては、本市が所有する施設の愛称を決定する権利を民間事業者等に付与する制度であるネーミングライツを新たに導入し、自主財源の確保や施設維持費の負担軽減に繋げてまいります。
このような課題に対応するとともに、「第2次春日部市総合振興計画」のまちの将来像「つながる にぎわう すまいるシティ 春日部」の実現のため、令和5年度からスタートした後期基本計画に掲げる取組を着実に推進し、たくさんの市民の皆様の明るい笑顔が輝き、いきいきと暮らす人々と、魅力的なまちを行き交う多くの人で活気にあふれ、だれもが「住んで良かった、住み続けたい」と思う、だれからも「選ばれるまち」を築いてまいります。

5.予算編成の概要

令和6年度の当初予算につきましては、先に申し述べた後期基本計画における五つの重点プロジェクト「健幸プロジェクト」に掲げた事業を中心とした予算編成に取り組みました。
また、新庁舎への移転が完了し、まちが劇的に変わる重要な局面であることから、未来に向けたまちづくりの骨格となる事業を着実に推進できるよう、編成したところでございます。
以上を予算編成の視点としつつ、他の施策とのバランスを考慮した結果、令和6年度当初予算の額につきましては、一般会計予算899億円、対前年度比で2億円の増額、比率では0.2パーセント増の予算額となるものでございます。
また、特別会計予算は 499億7,865万6千円、公営企業会計予算は 300億8,084万4千円、全会計予算総額 1,699億5,950万円となるものでございます。

6.主な施策の概要

続きまして、「第2次春日部市総合振興計画後期基本計画」における七つの分野別に、主な取り組みを、順次、説明申し上げます。

基本目標1 子育て・教育分野

はじめに、基本目標1「子どもが幸せに育ち、生きる力をはぐくむまち」を目指す「子育て・教育分野」でございます。
安心して子育てできる切れ目のない支援につきましては、妊娠期から幅広い子育て世帯への切れ目ない支援の充実を図るため、児童福祉法に準拠した、母子保健と児童福祉の一体的な相談支援を行う、こども家庭センターへと運営を拡充いたします。また、育児や家事に不安や負担を抱える子育て家庭に訪問支援員が支援を行ってまいります。
さらに、子育て世帯の経済的負担のさらなる軽減のため、こども医療費の通院助成の対象を18歳までに拡大いたします。
「生きる力」を育む学校づくりの推進につきましては、小学校・義務教育学校の特別支援学級助手を増員し、児童一人一人に応じたきめ細かな支援を行ってまいります。
また、教育センターの再整備に向けた基本計画・実施設計を行ってまいります。
充実した学校環境づくりの推進につきましては、子どもたちの学校環境の改善を図るため、小学校校舎トイレの改修工事や、中学校校舎トイレの改修工事に向けた実施設計、葛飾中学校のリノベーション工事に着手してまいります。
また、子どもたちの学校環境の改善及び地域住民の避難場所としての役割を果たすため、東中学校の体育館について、耐震対策工事に向けた実施設計を行ってまいります。
さらに、学校給食を安定的に提供するため、給食センターの老朽化した大型調理機器の更新を行ってまいります。
子どもの居場所づくりの充実につきましては、春日部第1児童センター(エンゼル・ドーム)において、空調設備の更新工事を行ってまいります。
また、地区センターにおいて、現在の公民館機能に「子どもの居場所づくりとしての機能」を追加し、地域で子どもたちの安心安全な居場所を確保することを通して、子どもの居場所を充実させてまいります。

基本目標2 福祉・保健・医療分野

次に、基本目標2「いつまでも健康でいきいきと暮らせるまち」を目指す「福祉・保健・医療分野」でございます。
高齢者の生きがいづくりの推進につきましては、高齢者に憩いと安らぎの場を提供し、心身の健康増進を図るため、高齢者が家に閉じこもらずに地域でふれあい、さまざまな交流を深める憩いの場を提供するとともに、大池憩いの家においてエレベーターの更新工事を行ってまいります。
地域で支える福祉の充実につきましては、総合福祉センター「あしすと春日部」において、昨年に引き続き、空調設備の更新工事を行ってまいります。
また、春日部市地域福祉計画に基づき、相談支援体制を構築して多様化・複合化する福祉課題に取り組んでまいります。さらに、春日部市高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画、障害福祉計画を推進し、市民の視点に立った切れ目のない福祉の充実を図ってまいります。
健康づくりと病気予防の充実につきましては、新型コロナウイルスワクチンの定期接種化に向けて医師会などの関係機関と準備を進めていくとともに、健康寿命延伸の取り組みの一つとして、50歳以上の市民の皆さまを対象に帯状疱疹ワクチン接種費用の助成を行ってまいります。
また、がん治療によって変化する外見への心理的負担を軽減するため、がん患者に対し、ウイッグや胸部補整具の購入費用を助成するとともに、住み慣れた自宅で最期まで自分らしく安心して日常生活を送れるよう、小児・AYA世代末期がん患者に対し、在宅サービス利用料等を助成し、がん患者の経済的・心理的負担の軽減を図ってまいります。
さらに、コロナ禍を経た市民の皆さまの健康づくりに対する意識や生活習慣の変化等、社会の変化を踏まえ、「第2次いきいきライフプランかすかべ(春日部市健康づくり計画・食育推進計画・自殺対策計画)」を策定してまいります。
市立医療センターの基幹機能の充実につきましては、昨年12月に埼玉県から「災害時連携病院」として指定されたことにより、災害時には災害拠点病院と連携を図りながら、中等症患者や容態が安定した重症患者の受け入れを行います。また、災害派遣医療チーム「埼玉地域DMAT(ディーマット)」を保有し、災害現場での速やかな医療救護活動を実施してまいります。

基本目標3 市民参加・文化・スポーツ分野

次に、基本目標3「市民が主役となって活躍し、生きがいを持てるまち」を目指す「市民参加・文化・スポーツ分野」でございます。
市民参加と協働の推進につきましては、公民館に新たな機能として地区センター機能を加え、地域まちづくりの拠点として活用することで「地域コミュニティの活性化」及び「市民の利便性向上」を図ってまいります。
また、地域コミュニティ活動の充実・強化を図るため、住民同士の交流や、地域の拠点施設となる集会所の整備が必要な地区団体に対し、費用の助成を行ってまいります。
多文化共生と国際交流の推進につきましては、令和5年7月にアメリカ合衆国・パサディナ市との友好都市協定を締結して昨年で30周年を迎え、パサディナ訪問団の表敬訪問がありました。令和6年度はパサディナ市を訪問し、本市の魅力を直接発信するとともに友好都市とのさらなる交流を推進してまいります。
男女共同参画の推進につきましては、配偶者からの暴力の防止や被害者の保護を図るため、 配偶者暴力相談支援センターを設置し、身近な場所での継続的な相談、生活支援に係る複数の手続の一元化、一時保護の場合の同行支援など、被害者の立場に立った「ワンストップ」の支援を行ってまいります。
社会教育の充実につきましては、「春日部市公共施設マネジメント基本計画」に掲げる施設の複合化を推進するとともに、庄和地域における高齢者の憩いの場を確保するため、庄和高齢者憩いの家を庄和市民センター正風館に移転するリノベーション工事を行ってまいります。
郷土の歴史と文化遺産の保存と活用につきましては、旧宝珠花小学校跡地に整備を進めている大凧文化交流センターの開所に合わせ、当該施設において大凧文化や郷土の歴史資料の展示を行ってまいります。
また、国の史跡に指定された神明貝塚を確実に保存、活用するため、引き続き公有地化に向けた土地購入などを進めてまいります。
スポーツ・レクリエーション活動の推進につきましては、スポーツ・レクリエーション活動の振興と地域の活性化を図るため、引き続き大沼陸上競技場リニューアルの整備工事に向けた地質調査を進めてまいります。

基本目標4 環境・防災・生活分野

次に、基本目標4「恵まれた自然の中で安心安全に暮らせるまち」を目指す「環境・防災・生活分野」でございます。
環境にやさしい持続可能な取組の推進につきましては、ゼロカーボンシティ推進の取り組みとして、避難所となる公共施設へ太陽光発電設備・蓄電池を設置し、脱炭素に加え、防災力の強化も図ってまいります。また、協定締結事業者とともに、ごみ収集運搬の脱炭素化に資するエネルギーマネジメントシステムの導入に関する基礎調査を実施してまいります。
地域の強靱化と防災力の向上につきましては、小学校・中学校・義務教育学校体育館について、熱中症などの健康被害から子どもたちを守るとともに、災害時の避難所に指定されていることから、避難者の生活環境の改善につなげるため、引き続き、空調設備の整備を進めてまいります。
また、地区センターにおいて、「防災・防犯の拠点としての機能」を追加し、自治会が防災・防犯に関する活動ができる場を提供し、市と地域の連携を通して、防災・防犯に関する一体的な対応ができる環境を整えてまいります。
消防・救急・救助体制の充実・強化につきましては、老朽化した武里分署の移転に向けて、新築工事および旧武里分署の解体工事を行ってまいります。
また、埼玉県東南部地域6市1町の5消防本部において、災害発生時における消防指令業務に関する情報の一元化や、近隣自治体との相互応援による災害対応への向上などを図るため、共同消防指令センター運用開始に向けて、通信指令システムの整備工事を関係市町と共に進めてまいります。
犯罪抑止のまちづくりの推進につきましては、第4次防犯のまちづくり推進計画に基づき、子どもに対する見守り活動の強化や通学路の安全点検、通学路における街頭防犯カメラの増設を行ってまいります。
また、高齢者を狙った特殊詐欺の被害を防止するため、本人および家族を通じた注意喚起を行うとともに、特殊詐欺対策機器を普及促進する取り組みを行ってまいります。

基本目標5 観光・産業・経済分野

次に、基本目標5「地域の資源を活かした魅力あふれるまち」を目指す「観光・産業・経済分野」でございます。
観光資源の魅力向上と来訪者の滞在環境の充実につきましては、庄和北部地域の新たな観光資源の創出を目指し、旧宝珠花小学校跡地を活用した地域の交流や文化・歴史を発信できる施設として、大凧文化交流センターを開所いたします。
身近で活気あふれる商業環境の充実につきましては、物価高騰の影響を受けている市民、事業者の皆さまへの支援を行うとともに、市内経済の活性化を図るため、プレミアム付商品券を発行いたします。
企業誘致や創業支援の推進と就労支援の充実につきましては、産業指定区域における企業立地の促進や創業セミナーなどの起業家育成により起業・創業を推進してまいります。また、円滑な就職活動の支援体制を整え、就職率の向上を図るため、各種セミナーを実施するとともに、就職氷河期世代に対する支援として、パソコンスキルに関する資格取得を目指すセミナーを開催いたします。
持続可能な農業の環境整備につきましては、小平地区の埼玉型ほ場整備事業において、地域の農地を集積し、将来にわたって農業の担い手が耕作を続けていけるよう、水田の区画拡大や道路、用排水路の整備を、引き続き、埼玉県と連携して進めてまいります。

基本目標6 都市基盤分野

次に、基本目標6「人々が集い、にぎわいのある快適なまち」を目指す「都市基盤分野」でございます。
魅力とにぎわいのある中心市街地の創出につきましては、春日部駅付近連続立体交差事業において、令和6年度も伊勢崎線仮線への切替に向けた工事を行い、引き続き、埼玉県、東武鉄道株式会社としっかりと連携を図りながら進めてまいります。
また、中心市街地については、にぎわいの創出と歩いて楽しいウォーカブルなまちづくりの実現に向け、交通ネットワークの再構築と道路空間の利活用について、市民の皆様や関係団体など、ステークホルダーのご意見を伺いながら進めてまいります。
さらに、中央一丁目地区の市街地再開発事業につきましては、鉄道の高架化と一体となった魅力あるまちづくりに向けて、引き続き、権利者、埼玉県、東武鉄道 株式会社などと連携して事業を進めてまいります。
計画的な土地利用の推進につきましては、北春日部駅周辺地区土地区画整理事業において、快適な住環境整備の促進を図るため、土地区画整理組合とともに、引き続き情報を共有しながら、連携し、事業を推進してまいります。
また、産業集積検討ゾーンとして位置付けている、国道4号東埼玉道路沿道となる赤沼・銚子口地区において、新たな雇用を生み出すとともに、担税力の強化を図るため、赤沼・銚子口地区産業基盤整備事業を、埼玉県と共同し進めてまいります。
あらゆる世代が住みやすい活力あるまちの創出につきましては、住環境の向上及び定住促進を図るため、住宅リフォーム工事に要する費用の一部を助成してまいります。
安全で利便性の高い道路網の整備につきましては、春日部駅中心市街地における幹線道路として中央通り線整備に向けた取り組みを進めるとともに、主要道路の舗装整備や側溝改修工事などを行い、市民の皆さまの利便性向上や安全性の確保を図り、だれもが安心して通行できる道路網の整備を行ってまいります。
また、埼玉県の河川改修に合わせて、古隅田川及び新方川に架かる橋りょうの架け替え工事を実施してまいります。
さらに、春日部市特有の景観資源を保全し、地域活性化の促進を図るため、藤棚の改修を拡充してまいります。
親しみのある公園の形成と緑化の推進につきましては、備後正善公園、牛島古川公園、時鳥(ホトトギス)公園や新方袋東公園の遊具や、大池親水公園の電気設備を更新するとともに、地域の皆様との意見交換を踏まえ、新生公園のリニューアル工事を進めてまいります。
総合的な治水対策の推進につきましては、100mm/h安心プランに位置づけられた谷原地区の雨水貯留施設、大沼地区の雨水管きょ施設を整備してまいります。
また、旧古隅田川などの大規模な浚渫を実施することで、浸水・冠水被害の軽減を図ってまいります。
さらに、令和5年6月大雨(台風第2号)により甚大な内水被害が発生した本市を含む中川・綾瀬川流域の6市1町、国、埼玉県が連携し、早期に内水被害の軽減を図るため、「中川・綾瀬川緊急流域治水プロジェクト」を推進してまいります。

基本目標7 行財政分野

次に、基本目標7「市民の期待に応え、信頼される行政を推進するまち」を目指す「行財政分野」でございます。
自治体DXに基づく戦略的・計画的な行政運営の推進につきましては、市民の皆さまがスマートフォンやパソコンを使って、来庁せずに手数料の支払いができるようにするため、オンライン申請における「キャッシュレス決済」を導入する他、予約日などの日程調整がオンライン上で可能となる「オンライン予約」を導入し、市民サービスの向上に努めてまいります。
また、(新)中央町第1公園の整備に向けて旧本庁舎の解体工事を実施するとともに、第三別館敷地を、公用車用駐車場として整備してまいります。
公有財産マネジメントの推進につきましては、新庁舎への移転により生じた空き施設の利活用、廃止した施設の跡地利用や、公共施設のうち約半数を占める学校施設の適正化などを強力に進めてまいります。
また、「春日部市公共施設マネジメント基本計画」の改訂に向けて、公共施設マネジメントシステムを活用し、春日部市公共施設白書の改訂や個別施設計画の策定に取り組んでまいります。
自治体DXの推進と窓口サービスの向上につきましては、地区センターにおいて、現在の公民館機能に「各種証明書発行の機能」を追加し、より近くで行政サービスを受けられる場を設置することを通して、市民の利便性の向上を図ってまいります。
シティセールスの推進につきましては、新庁舎敷地内へクレヨンしんちゃんのモニュメントを設置し、新庁舎への市民の愛着醸成を図るとともに、本市の新たなスポットとして、観光客の周遊につなげ、市への交流人口の増加を図ってまいります。
安定した財政運営につきましては、ネーミングライツを導入し、自主財源の確保や施設維持費の負担軽減を図ってまいります。
また、個人向けのふるさと納税制度につきましては、お礼品のさらなる拡充を図り、PRを強化してまいります。さらに、企業版ふるさと納税制度の活用など、税外収入の確保におきましても積極的に取り組んでまいります。

以上、令和6年度を迎えるにあたりまして、市政運営の基本的な考え方と主な施策の概要を申し述べさせていただきました。
令和6年度は、新庁舎を市民サービスの拠点としてしっかりとその役割を担うとともに、まちの将来像の実現に向け、様々な施策に全力で取り組み、「春日部に住んで良かった、住み続けたい」と思っていただけるような、まちづくりを進めてまいります。
そして、この一年が春日部市のさらなる飛躍に向けた確かな一歩となるよう、市民の皆様の声にしっかりと耳を傾けるとともに、議員の皆様のお力添えをいただきながら、職員と気持ちを一つにして、全力で取り組んでまいります。

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