市長の令和7年度施政方針(令和7年2月13日)

更新日:2025年04月22日

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令和7年3月春日部市議会定例会に提案させていただきます、令和7年度当初予算をはじめ、これに関連する議案の審議をお願いするにあたり、市政に関する所信の一端を申し述べ、議員各位をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

昨年は、元日に、能登半島地震という大地震の発生から始まり、本市からも多くの職員、民間の皆様が支援に携わりました。しかしながら、復興には、かなりの時間を要するものと思います。これからも要請に応えて、必要な支援を行ってまいります。
大地震に限らず、近年は気候変動に伴う自然災害も増加しております。その備えとして、防災意識や自治会に代表される地域のコミュニティ力を高めていくことが極めて重要であると、改めて感じております。引き続き国や埼玉県と連携を密にし、市の災害対策を推進し、私自身が先頭に立ち、職員と一丸となって、市民の皆様の生命、暮らしを守ってまいります。
さて、昨年は、本市におきましては、新たな庁舎での業務がスタートする大きな変化の年でございました。人に優しく災害に強い、市民に親しまれる庁舎を目指し、フロア案内の増員など、サービスの向上に取り組みました。また、カフェにもご協力を賜り、まちなかひろばを中心に、夏祭りやクリスマスマーケットなどをはじめ、毎月様々なイベントを企画していただき、親子で楽しめるにぎわいの場の創出ができたものと思います。庁舎の顔となる広場に市民の活動が重なることで、まちと市民と庁舎が一体となっていると評価され、2024年度グッドデザイン賞をいただくことができました。さらに、「クレヨンしんちゃん」の野原一家のモニュメントを設置したことで、海外から観光に訪れる方も大幅に増えております。今後につきましても、市民の皆様、議員の皆様の声に耳を傾けながら、市民が利用しやすく、また、まちのにぎわいの拠点となるよう取り組んでまいります。
一方、経済状況に目を向けますと、依然として、国際情勢や円安の影響などにより、電力・ガス・灯油などのエネルギーや食料品等の物価高騰が続いており、市民の皆様の暮らしや、事業者の経営に影響を与えております。先の臨時会におきまして議決をいただきました低所得者支援給付金や、小中学生の給食費負担の軽減、また、商業、農業、福祉、運輸などエネルギー・物価高騰の影響を受けている事業者と市民の皆様に向けた支援を速やかに実施してまいります。さらに、犯罪抑止、安心で安全なまちづくりを推進するため、防犯カメラの設置について補助金を交付してまいります。
本年は市制施行20周年を迎えます。これまで、まちの発展にご尽力をいただいた方々に感謝するとともに、春日部に住んで良かった、住み続けたいと思えるまちを目指し、将来にわたり持続可能なまちとして選ばれるよう、お子様からご高齢の方まで幅広く参加していただけるような事業を様々な分野において展開してまいります。市民の皆様や議員の皆様のご協力を賜りながら、市制施行20周年を市全体で盛り上げ、お祝いしてまいりたいと考えております。そして、この記念すべき令和7年度が未来に向けて希望に満ちた1年間となるよう、市政に取り組んでまいります。

次に、まちづくりの取組につきまして、主なものを申し上げます。
昨年は、4月から、地域まちづくり、防災・防犯、こどもの居場所づくり、多機能端末機による各種証明書発行の4つの地区センター機能を8地区の公民館に追加し、市民センターを開設しました。各市民センターでは、地域づくり推進会議を開催し、それぞれの地域の課題について意見交換をいたしました。私も参加させていただきましたが、地域の皆様の幅広いご意見に直接触れることができ、大変参考となりました。また、多くの参加者の方から「地域のことを話せて良かった」「地域の取組などの情報を発信してほしい」「素晴らしい機会なのでぜひ継続してほしい」といった声をいただきました。こうした貴重なご意見を生かして、引き続き市民センターの利便性の向上と、自治会等地域コミュニティの活性化に取り組んでまいります。
子育て支援の取組としましては、経済的支援として、4月から18歳までの通院分の医療費も無償化いたしました。また、学校給食における多子世帯の無償化、物価高騰対策として、食材料費の上乗せ補助を実施しました。こどもの健康につきましては、令和6年12月から、新たに1か月児健康診査費用の一部助成及び5歳児健康診査を開始しました。この健康診査が相談をするきっかけとなり、早期に児童や保護者に向けた適切なアドバイスにつながるものと考えております。安心して産み育てる環境を目指し、発育に関する相談、経済的支援など、子育て世帯に寄り添い、切れ目のない支援を実施してまいりました。
また、こどもたちの未来のために、今できる取組の一つとして、脱炭素に向けてゼロカーボンシティ かすかべモデルの取組を進めております。この取組を効果的に推進するため、環境省の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金(重点対策加速化事業)に応募し選定されました。
活力あるまちづくりの取組としましては、春日部駅付近連続立体交差事業が順調に進んでおります。令和6年5月には、伊勢崎線仮上り線・仮上りホームの供用が開始されました。北春日部駅周辺地区土地区画整理事業につきましては、土地区画整理組合において業務代行・工事請負契約が締結され、工事が着手されました。東埼玉道路につきましては、本年春頃には、松伏町田島までの一般部が開通見込みと伺っております。先のシンポジウムにおきましても、多くの関係者や市民の皆様の大きな期待を感じたところでございます。赤沼・銚子口地区産業基盤整備事業につきましては、埼玉県と農業振興地域農用地区域の市街化区域への編入に向けた農林調整を進めるとともに、土地及び建物の権利者からの合意書の取得に向けて、地元説明会を開催いたしました。これら、大型事業につきましては、春日部市の未来を担う重要な事業でございます。引き続き関係者の皆様と連携を図り、進めてまいります。
地域交流の拠点として8月に、旧宝珠花小学校を活用し、大凧文化交流センター「ハルカイト」をオープンいたしました。10月には、日本の凧の会2024年度 秋季春日部全国大会が盛大に開催され、市内外に大凧文化の拠点として大きくPRすることができました。庄和エリアには、国土交通省のインフラツーリズム魅力倍増プロジェクトに選定された首都圏外郭放水路がございますので、近年大幅に増加している外国人観光客を取り込み、市全体の活性化につながるよう、連携を図ってまいります。
その他、自主財源の確保につきましては、企業版ふるさと納税において前年度を上回る寄附をいただき大きな前進となりました。また、庄和総合公園、春日部市総合体育館、春日部市民文化会館のネーミングライツパートナーの募集を行い、3施設すべてに新たな愛称が決定いたしました。ネーミングライツパートナーからいただいた命名権料につきましては、施設の運営や維持などに有効に活用させていただきます。

次に、本市を取り巻く環境について、主な点を申し上げます。
1点目は、全国的な課題である人口減少・少子高齢化でございます。本市の人口は自然減の影響により減少傾向にあるものの、人口動態は、これまで積み上げてまいりました、まちづくりの効果が徐々に現れ始め、社会動態では年間約1,000人の増加傾向にあるところでございます。引き続き将来を見据えたまちの魅力を高める大型事業を推進するとともに、子育て支援策の充実などを含め、5つの重点プロジェクト「健幸プロジェクト」を推し進めていく必要がございます。
2点目は、自然災害に対する備えでございます。近年のゲリラ豪雨に対する浸水被害の軽減に向けた河川の改修や、いつ起こるかわからない大地震に備え、避難所の環境整備が必要と認識しております。併せて、防災に対する意識の向上や自治会をはじめとする地域のコミュニティ力を高めていくことも極めて重要であると考えております。
3点目は、DXの推進でございます。国は、令和7年度末までに地方公共団体の基幹業務システムを標準仕様書に適合した標準準拠システムに移行することとしており、本市においても円滑な移行が求められております。また、1月から、オンライン申請による住民票の写しや税証明の発行などの支払いに、キャッシュレス決済が利用できるようになりました。今後も、マイナンバーカードやスマートフォンを活用した行政手続の利便性向上に向けた取組が必要と捉えております。
4点目は、脱炭素の取組でございます。本市は、国が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現に向け、2030年度温室効果ガス排出量を2013年度比46パーセント削減を目指しております。ゼロカーボンシティ推進本部に参画いただいている協力事業者の皆様と庁内横断的な組織をもって連携を図り、市民の皆様にもご理解いただき、こどもたちの未来のために持続可能な脱炭素に向けた取組を進めて行く必要がございます。
5点目は、インバウンド需要の高まり、外国人への対応でございます。春日部情報発信館 「ぷらっとかすかべ」には、昨年同月比で約3倍の外国人が訪れております。訪れた外国人の方々に対して、本市の様々な魅力を伝え、周遊いただけるような取組が求められております。また、国は、外国人労働者の受け入れを拡大しており、本市に在住する外国人も増加傾向にあります。このため、令和6年度かすかべ未来研究所において、本市の現状についての調査研究を行いました。その結果、地域住民と外国人の共生に向けた取組を進めていく必要があると強く感じたところです。

令和5年度からスタートした第2次春日部市総合振興計画後期基本計画が3年目を迎えます。本市が目指すべきまちの将来像を実現するため、引き続き「健幸プロジェクト」を重点的・分野横断的に展開してまいります。本市を取り巻く環境を踏まえ、基本的な方向性を申し上げます。
人口減少・少子高齢化に向けた取組につきましては、雇用や住環境の充実、子育て施策など、総合的に取り組んでまいります。春日部駅付近連続立体交差事業をはじめ、北春日部駅周辺地区土地区画整理事業、赤沼・銚子口地区産業基盤整備事業といった、大型事業を進めるとともに、こどもまんなか社会に向けた取組や、市民の皆様の健康づくりや教育環境等の整備を推進してまいります。
子育て施策の一つである子育てしやすい環境整備に向けて、保育所における待機児童ゼロを目指すとともに、こどもまんなか社会の実現につきましては、現在、春日部市こども・若者計画の策定を進めております。策定にあたりましては、民間事業者の方にもご参加いただき、こどもまんなかタウンワーキンググループを立ち上げ、様々な立場の方々からご意見をいただき計画に盛り込んでおります。この計画に従い、こども・若者の声を聞きながら、こどもの居場所の充実など、こども・若者に向けた施策の推進に取り組んでまいります。
市民の皆様の健康づくりにつきましては、令和7年度からスタートする第2次いきいきライフプランかすかべに基づき、乳幼児から高齢者まで、それぞれのライフステージに応じた総合的な健康づくりを推進してまいります。また、八木崎小学校に、学校温水プールを整備してまいります。なお、学校教育で使用しない時間は、市民の皆様も利用できるよう進めてまいります。さらに、大沼陸上競技場のリニューアル整備に取り組んでまいります。
次に、自然災害に対する取組につきましては、100mm/h(ミリ)安心プランの推進や、災害時に対する備えとして、小学校体育館に、引き続き空調設備の整備を進めてまいります。また、市民センターと自主防災組織等が連携し、いざという時のために避難所開設訓練や避難所運営訓練をさらに推進してまいります。
次に、DXの推進につきましては、自治体情報システムの標準化について、窓口業務など通常業務に影響のないよう、安全かつ確実に移行できるよう取り組んでまいります。
また、市役所に来庁することなく、スマートフォンなどを活用してオンライン申請ができる行政手続を拡充してまいります。
次に、脱炭素に向けた取組につきましては、公共施設への太陽光発電設備と蓄電池の設置を推し進めるとともに、市民及び事業者の皆様に対して太陽光発電設備、蓄電池の導入の補助を推進することで、市全体でゼロカーボンシティを目指してまいります。
次に、訪日外国人に向けた取組でございます。「クレヨンしんちゃん」のモニュメントを新たに設置するなど、訪れた外国人の方々が、スタンプ巡りなどで市内を周遊いただけるような取組を推進してまいります。また、本市に在住する外国人の方々に対しましては、行政手続や日常生活について、気軽に相談できるような体制の整備を行ってまいります。
こうした取組を推進していくためには、効率的な行政運営を推進していくとともに、安定的な財政運営が求められます。そのために、市税の適正な賦課徴収に努めるとともに、ふるさと納税、企業版ふるさと納税制度の活用など、私自身が先頭に立ち、自主財源の確保にも努めてまいります。

令和7年度の当初予算につきましては、先に申し述べた基本的な方向性を踏まえ、後期基本計画における「健幸プロジェクト」に掲げた事業を中心とした予算編成に取り組みました。以上を予算編成の視点としつつ、市制施行20周年を記念する事業を含め、他の施策とのバランスを考慮した結果、令和7年度の当初予算の額につきましては、一般会計予算933億3,000万円、対前年度比で34億3,000万円の増額、比率では、3.8パーセント増の予算額となるものでございます。また、特別会計予算は493億1,147万6,000円、公営企業会計予算は318億3,440万9,000円、全会計予算総額1,744億7,588万5,000円となるものでございます。

続きまして、第2次春日部市総合振興計画後期基本計画における7つの分野別に、主な取組を、順次、説明申し上げます。

基本目標1 子育て・教育分野

はじめに、基本目標1「子どもが幸せに育ち、生きる力をはぐくむまち」を目指す「子育て・教育分野」でございます。
安心して子育てできる切れ目のない支援につきましては、産婦健康診査の助成回数を拡充し、出産間もない時期の母親の心と体の健康状態をサポートしてまいります。また、産後ケア事業につきましては、利用しやすい環境を整えるため、これまでの宿泊型に加え、通所型、訪問型も実施することで事業の拡充を図ってまいります。
「生きる力」を育む学校づくりの推進につきましては、小・中・義務教育学校全校にスクール・サポート・スタッフを配置し、教職員の働き方改革を推進してまいります。また、校務支援システムを導入し、書類作成等に要する時間を削減することで、教職員が児童、生徒へ向き合う時間を増やし、教育環境の充実を図ってまいります。
充実した学校環境づくりの推進につきましては、学校規模の適正化に向けた検討を進めてまいります。また、春日部中学校ほか中学校3校の校舎トイレ改修工事の設計を実施してまいります。さらに、葛飾中学校リノベーション工事を引き続き進めてまいります。
青少年の心豊かで健全な育みの推進につきましては、こども・若者が様々な社会活動に参画し、意見を述べる権利を擁護できるよう、こども・若者の意見を引き出せるスキルを身につけたファシリテーターを養成するための研修を実施してまいります。
子どもの居場所づくりの充実につきましては、春日部第1児童センター(エンゼル・ドーム)において、引き続き空調設備の更新工事を行ってまいります。また、こどもの居場所づくりとして、人口の多い武里地区において、出張児童館を実施してまいります。

基本目標2 福祉・保健・医療分野

次に、基本目標2「いつまでも健康でいきいきと暮らせるまち」を目指す「福祉・保健・医療分野」でございます。
高齢者の生きがいづくりの推進につきましては、加齢性難聴高齢者の補聴器購入に対し、補助金を交付してまいります。補聴器の適切な利用により、高齢者の地域社会への参加を促すことで、生きがいづくりの推進及び生活の支援を行ってまいります。
障がい者(児)の生活支援の充実につきましては、障がいのある方のニーズに寄り添い適切なサービスを提供するため、基幹相談支援センターを開設いたします。障害福祉サービス事業所と連携調整を行い、地域における障がいのある方の相談支援体制の充実を図ってまいります。
地域で支える福祉の充実につきましては、総合福祉センター「あしすと春日部」のトイレにベビーシートやユニバーサルシートを設置するなど、乳幼児を連れた方や障がいのある方も利用しやすい施設に改修してまいります。また、春日部市高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画、春日部市障害福祉計画を推進し、市民の皆様の視点に立った切れ目のない福祉の充実を図ってまいります。
健康づくりと病気予防の充実につきましては、65歳を基本に、70歳、75歳と5歳刻みで対象となる帯状疱疹ワクチンの定期接種化に向けて、これまでの50歳以上を対象とした任意接種と一体的に取り組み、定期接種を待つことがないよう、対象年齢の隙間を補完することで、市民の皆様に広く接種の機会を提供してまいります。また、健康寿命延伸の取組として、歯周病検診の対象年齢に20歳を追加し、生涯を通じた歯科検診の機会を確保し、歯と口腔の健康の保持・増進を図ってまいります。さらに、誰でも気軽に参加できるウオーキングによる健康づくりを推進するため「コバトンALKOO(あるこう)マイレージ」ポイント付与の機会を拡充してまいります。
市立医療センターの基幹機能の充実につきましては、地域周産期母子医療センターとして、専門医を中心に分娩リスクの高い新生児と母親の命と健康を守ってまいります。また、地域がん診療連携拠点病院や災害時連携病院などの機能を強化し、地域の基幹病院としての医療を提供してまいります。

基本目標3 市民参加・文化・スポーツ分野

次に、基本目標3「市民が主役となって活躍し、生きがいを持てるまち」を目指す「市民参加・文化・スポーツ分野」でございます。
市民参加と協働の推進につきましては、各市民センターにおいて、春日部市地域づくり推進協議会を設置し、地域住民による自主的なまちづくりの推進に向けた議論を深め実践してまいります。
多文化共生と国際交流の推進につきましては、外国人の方が市役所へ訪れた際に、安心して手続等が行えるよう、外国人の職員を配置してまいります。また、未来を担う若い世代に世界の恒久平和に関心を持っていただくとともに、理解を深める機会を創出するため、平和に関する映画の上映会を実施してまいります。
人権を尊重するまちづくりの推進につきましては、女性、こども、高齢者、障がいのある方、外国人、性的マイノリティ、インターネット上の誹謗中傷など、人権問題が複雑・多様化していることを踏まえ、春日部市人権施策推進指針に基づき、様々な人権問題の解決に取り組んでまいります。
社会教育の充実につきましては、教育センターの新たな活用方法を検討し、リニューアルに向けて基本計画を策定し、実施設計に着手してまいります。また、庄和高齢者憩いの家を庄和市民センター正風館に移転するリノベーション工事を、引き続き行ってまいります。
郷土の歴史と文化遺産の保存と活用につきましては、国指定の史跡である神明貝塚を確実に後世へ継承し、保存、活用するため、引き続き公有地化に向けた土地購入などを進めてまいります。
スポーツ・レクリエーション活動の推進につきましては、大沼陸上競技場のリニューアル整備を進めてまいります。トラックを全天候型舗装に、インフィールド部分を人工芝に改修することで、多くの方が日常的にスポーツ・レクリエーション活動など多目的に利活用できる場として、また、災害時に広域受援拠点として災害応急活動が効率的かつ効果的に実施できるよう整備してまいります。

基本目標4 環境・防災・生活分野

次に、基本目標4「恵まれた自然の中で安心安全に暮らせるまち」を目指す「環境・防災・生活分野」でございます。
環境にやさしい持続可能な取組の推進につきましては、ゼロカーボンシティ推進の取組として、昨年度に引き続き避難場所となる公共施設に太陽光発電設備・蓄電池を設置し、脱炭素に加え、防災力の強化も図ってまいります。また、EV公用車を増やし、災害時の電源車としても活用する取組を進めてまいります。さらに、災害時の停電に備え、市民センターに給電できる設備を整備してまいります。
ごみ減量・リサイクルの推進につきましては、多言語化したごみ分別アプリや、24時間対応が可能となるごみ問い合わせ自動音声応答システムを導入し、ごみ分別のDX化を実施し、市民の皆様が快適にごみを出せるよう環境を整備してまいります。
地域の強靱化と防災力の向上につきましては、大規模災害が発生した際には、停電や断水の可能性もあるため、簡易トイレ処理セットの購入やトイレカーの導入により、災害時における衛生環境を確保してまいります。また、小学校体育館につきましては、熱中症などの健康被害からこどもたちを守るとともに、災害時における避難者の生活環境の改善に向け、引き続き空調設備の整備を進めてまいります。
消防・救急・救助体制の充実・強化につきましては、老朽化した庄和消防署の大規模改修工事を行うとともに、浜川戸分署と幸松分署の統合移転に向け実施設計業務等を行ってまいります。また、消防団活動につきましては、消防団員が災害時において、迅速に情報を伝達するためのデジタル無線機を購入し、地域に密着した消防団活動の強化を図ってまいります。さらに、埼玉県東南部地域6市1町の5消防本部において、災害発生時における消防指令業務に関する情報の一元化や、近隣自治体との相互応援による災害対応の向上などを図るため、令和8年2月の共同消防指令センターの仮運用開始に向けて、通信指令システムの整備工事を関係市町と共に進めてまいります。
犯罪抑止のまちづくりの推進につきましては、第4次春日部市防犯のまちづくり推進計画に基づき、自主防犯活動団体による防犯パトロールや下校時におけるこどもの見守り運動、春日部市青色回転灯車防犯パトロール推進会による防犯パトロールなど、地域ぐるみの防犯活動を実施してまいります。また、高齢者を狙った特殊詐欺の被害を防止するため、市内の商業施設や金融機関等と連携し啓発活動を通じた注意喚起を行うとともに、特殊詐欺対策機器を普及促進する取組を行ってまいります。さらに、闇バイトの実行役としてターゲットになりやすい若年層を中心に、加担防止に向けた啓発活動を推進してまいります。

基本目標5 観光・産業・経済分野

次に、基本目標5「地域の資源を活かした魅力あふれるまち」を目指す「観光・産業・経済分野」でございます。
観光資源の魅力向上と来訪者の滞在環境の充実につきましては、大凧文化交流センター「ハルカイト」に、より多くの来訪者を迎え入れることができるよう、敷地内に、大型バスが乗り入れ可能な駐車場を整備してまいります。また、新たに第5期となる、かすかべフードセレクションの認定を行い、様々なイベントを実施してまいります。さらに、本市の魅力を市内外に広く効果的に発信するため、エリア情報誌を発行してまいります。
身近で活気あふれる商業環境の充実につきましては、新たなエリアにおいて、地域の商店街におけるリーダーや協力者の発掘、育成などを外部の専門家の支援を受けながら取り組むトライ商店街プロジェクト事業を始動させてまいります。また、これまで長年にわたり、春日部市内で事業を営み、地域経済に貢献していただいている店舗・企業の功績をたたえるため、表彰式を執り行い、歴史ある事業者を市民の皆様へ広報することにより、事業継続意欲の推進につなげてまいります。
持続可能な農業の環境整備につきましては、安定した農業生産に不可欠な用排水路の機能の保全・向上を図るため、飯沼・赤崎地区において管路の更新を実施していくとともに、幸松地区において除塵機の補修整備を行ってまいります。
魅力ある農産物の生産と消費拡大につきましては、近年の異常気象を受け、大量に発生し稲作に多大な影響を与えているイネカメムシの防除に係る経費の一部を支援してまいります。

基本目標6 都市基盤分野

次に、基本目標6「人々が集い、にぎわいのある快適なまち」を目指す「都市基盤分野」でございます。
魅力とにぎわいのある中心市街地の創出につきましては、春日部駅付近連続立体交差事業において、令和7年度も伊勢崎線下り線及び野田線の仮線切替に向けた工事を行い、引き続き国、埼玉県、東武鉄道株式会社としっかりと連携を図りながら進めてまいります。また、まちの回遊性など中心市街地の課題を解決するため、官民連携により、まちづくりを推進するとともに、まちづくりに関心を持つ方々との協議の場となるエリアプラットフォームを設置し、市民の皆様や関係団体など、ステークホルダーのご意見を伺いながら進めてまいります。さらに、中央一丁目地区の市街地再開発事業につきましては、鉄道の高架化と一体となった魅力あるまちづくりに向けて、引き続き関係する権利者をはじめ、ここに携わる多くの市民の皆様、また、埼玉県や東武鉄道 株式会社などと連携して事業を進めてまいります。
計画的な土地利用の推進につきましては、北春日部駅周辺地区土地区画整理事業において、土地区画整理組合、関係事業者の皆様と、引き続き情報を共有しながら連携し、子育て世代を中心としたあらゆる世代から選ばれるまちとなるよう事業を推進してまいります。また、赤沼・銚子口地区産業基盤整備事業につきましては、土地及び建物の権利者との合意に向け、丁寧に調整を図るとともに、早期事業化に向け、埼玉県と共同し進めてまいります。
あらゆる世代が住みやすい活力あるまちの創出につきましては、引き続き既存住宅ストックの有効活用と市内の景気活性化を図るため、住宅リフォーム工事に要する費用の一部を助成してまいります。
安全で利便性の高い道路網の整備につきましては、春日部駅中心市街地における幹線道路として中央通り線の整備工事を推進するとともに、主要道路の舗装更新や側溝改修工事などを行います。また、通学路における安全対策など、だれもが安心して通行できる道路網の整備を行ってまいります。さらに、埼玉県の河川改修にあわせて、引き続き古隅田川及び新方川に架かる橋りょうの架け替え工事を実施するとともに、橋梁長寿命化修繕計画に基づき、藤塚橋などについて、補修工事を引き続き行い、安全性を確保してまいります。
親しみのある公園の形成と緑化の推進につきましては、牛島古川公園、桜台二区六建公園の遊具の更新や、大池親水公園の施設改修工事を実施するとともに、地域の皆様との意見交換を踏まえ、谷原第4公園のリニューアル工事を進めてまいります。また、(新)中央町第1公園の整備について、事業者の公募選考に向けた準備を進めてまいります。
総合的な治水対策の推進につきましては、計画期間の最終年度となります100mm/h(ミリ)安心プランに位置づけられた大沼地区の雨水管きょ施設を整備してまいります。また、中之堀川などの大規模な浚渫を実施することで、浸水・冠水被害の軽減を図ってまいります。さらに、浸水被害対策として、流域自治体と連携し、中川・綾瀬川緊急流域治水プロジェクトを推進するとともに、浸水箇所を早期に把握し、被害の軽減を図り、早期復旧・復興ができるよう、引き続き小型浸水センサ-を活用してまいります。

基本目標7 行財政分野

次に、基本目標7「市民の期待に応え、信頼される行政を推進するまち」を目指す「行財政分野」でございます。
自治体DXに基づく戦略的・計画的な行政運営の推進につきましては、市民の皆様がスマートフォンなどを使って、来庁せずにオンライン申請ができる行政手続を拡充してまいります。また、職員向けのAIチャットボットを導入し、事務を効率化し、窓口対応や相談業務等に時間を割り当て、市民サービスの向上を図ってまいります。
公有財産マネジメントの推進につきましては、公共施設の跡地活用や、学校規模適正化を強力に進めてまいります。また、公共施設マネジメントシステムや令和6年度に更新した春日部市公共施設白書を活用し、各公共施設の個別施設計画の策定に向けた取組を進めてまいります。
自治体DXの推進と窓口サービスの向上につきましては、マイナンバーカードを図書館での本の貸し出しに利用できるよう図書館システムとの連携を進めてまいります。また、救急隊が傷病者のマイナ保険証を活用し、円滑な搬送先病院の選定や適切な応急処置が行えるシステムの構築に向け、マイナ救急の実証実験を進めてまいります。
シティセールスの推進につきましては、「クレヨンしんちゃん」のモニュメントを、教育センター、道の駅「庄和」、大凧文化交流センター「ハルカイト」に設置し、まちの魅力を向上させ本市の新たなスポットとして、観光客の周遊につなげ、交流人口と滞在時間の増加を図ってまいります。また、市制施行20周年を記念した「クレヨンしんちゃん」の新たなグッズを作成してまいります。さらに、移住促進に向けたリーフレット「かすかべでくらそう」を移住PRイベントなどで配布し、市の魅力を伝えてまいります。
安定した財政運営につきましては、個人向けのふるさと納税において、お礼品のさらなる拡充を図り、PRを強化してまいります。また、制度延長された企業版ふるさと納税の活用など、税外収入の確保におきましても積極的に取り組んでまいります。
最後に、20周年記念事業といたしましては、記念式典のほか、市内外の多くの方がご参加いただける事業を企画してまいります。また、民間企業や市民団体などの皆様が実施される協賛事業と併せて、市全体で盛り上げ、一体感を醸成してまいりたいと考えております。

以上、令和7年度を迎えるにあたりまして、市政運営の基本的な考え方と主な施策の概要を申し述べさせていただきました。
まちの将来像である「つながる にぎわう すまいるシティ 春日部」の実現に向け、様々な施策を着実に推し進め、市民の皆様からは「春日部に住んで良かった、住み続けたい」、さらに市外の方からは「住んでみたい」と思っていただけるような、まちづくりに取り組んでまいります。そして、市制施行20周年という記念すべき一年が、飛躍を遂げる今後10年の第一歩となるよう、市民の皆様、議員の皆様の声に耳を傾け、職員と気持ちを一つにして、全力で取り組んでまいります。

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