健康長寿の鍵はフレイル予防!

更新日:2024年03月25日

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フレイルとは

要介護状態になる前の状態をフレイルと説明する図

出典:東京大学高齢社会総合研究機構「フレイルを予防して健康寿命をのばしましょう」

加齢に伴い心身の活力(筋肉、認知機能、社会とのつながりなど)が低下した状態を「フレイル」と言います。健康、プレフレイル(前虚弱)、フレイル(虚弱)、要介護(身体機能障害)と、多くの人が健康な状態からこのフレイルの段階を経て、要介護状態に陥ると考えられています。

フレイルの兆候を早期に発見し、日常生活を見直すなどの正しい対処を行えば、フレイルの進行を抑制したり、健康な状態に戻すことができます。

ちょっとした衰えに早く気付き、適切な対処を行うことが大切です。まずは自分の健康状態や日々の生活を振り返ってみましょう。

※フレイルは「虚弱」を意味する英語「frailty」を語源として作られた言葉です。

フレイルになるとどうなるか

フレイルは、健康と要介護の中間の時期にあり、要介護状態になりやすい手前の状態です。この状態になると、生活機能の障害の他、病気にかかりやすくなったり、さらには重度化しやすくなってしまいます。例えば、

  • 風邪をこじらせて肺炎を発症してしまう
  • 体のだるさのため転倒して骨折してしまう
  • 病気やけがによる入院が長期化してしまう 等

一方で、しかるべき適切な介入や生活習慣の改善により、要介護状態に至る危険性を減らし、健康な状態まで回復することができる時期でもあります。

フレイルを予防するには

フレイル予防には栄養、運動、社会参加の3つの柱が重要であることを説明する図

出典:東京大学高齢社会総合研究機構「フレイルを予防して健康寿命をのばしましょう」

フレイルを予防して、健康長寿を実現するために大切な3つの柱は、栄養・運動・社会参加です。

  • 栄養:たんぱく質を中心とした栄養をしっかりと取る
  • 運動:運動によって身体活動量を増やす
  • 社会参加:人との交流などにより社会とのつながりを保つ

どれか1つだけを頑張るのではなく、3つともすべてを継続的に取組むことが、フレイル予防の重要なポイントです。

社会とのつながりが失われていくことがフレイルの入り口であることをドミノを例に説明する図

出典:東京大学高齢社会総合研究機構「フレイルを予防して健康寿命をのばしましょう」

3つの柱は相互に影響し合っていますが、特に社会参加(社会とのつながり、人とのつながり)が最も重要です。

地域社会や人とのつながりを失うことがフレイルの最初の入口になりやすく、社会とのつながりの頻度が少なくなるとドミノ倒しのようにフレイルが進行してしまいます。

フレイル予防の第一歩は「気づき」

フレイルは「病気」ではなく、加齢に伴い心身の活力が低下した状態です。自身のフレイルの進捗に気づかなければ、知らず知らずのうちにフレイルが進行し、要介護状態になってしまうおそれがあります。

フレイルの状態でも、早期に気づいて適切に対処することができれば、元気に暮らせる時間を延ばすことができます。

フレイル予防の第1歩は自身の状態の「気づき」です。

やってみよう、フレイルチェック!

フレイルチェックは、東京大学高齢社会総合研究機構が開発した手法で、誰にでも簡単にフレイルの兆候を確認することができます。

ここでは、フレイルチェックの一部である「指輪っかテスト」「イレブン・チェック」をご紹介します。

フレイルが気になる方はもちろん、まだまだ元気だと思う方も、一度フレイルチェックをしてみませんか?

指輪っかテスト

指輪っかテストは、両手の親指と人差し指で輪をつくり、利き足ではない足のふくらはぎの一番太いところを囲みます。

自分の体格に概ね比例する手の大きさを用いることで、ふくらはぎの筋肉量が体格に比べて維持できているかどうか(筋肉量の低下のリスク:サルコペニア)を自己評価することができます。

【結果】

  • 「囲めない」、「ちょうど囲める」→筋肉量が十分である可能性が高い
  • 指輪っかとふくらはぎの間に「隙間ができる」→筋肉量が少ない可能性が高い
フレイルチェックで行う指輪っかテストのやり方を説明する図

出典:東京大学高齢社会総合研究機構・飯島勝矢・フレイル予防ハンドブック

イレブン・チェック

イレブン・チェックでは、健康を維持していくうえで重要な食習慣や口腔機能、運動、社会性・こころに関する生活習慣を、11項目の質問でチェックしていきます。

 

  • 「はい」(Q4、Q8、Q11は「いいえ」)にチェックがついた項目は、健康を維持していくうえで好ましい状態・習慣です。今後も継続していきましょう。
  • 「いいえ」(Q4、Q8、Q11は「はい」)にチェックがついた項目は、フレイルリスクの要因となるものです。日常生活を見直し、改善に向けて意識していきましょう。

注意:Q4、Q8、Q11は「はい」と「いいえ」が逆になっています。

 

【イレブン・チェック】

  1. ほぼ同じ年齢の同性と比較して健康に気をつけた食事を心がけていますか(はい・いいえ)
  2. 野菜料理と主菜(お肉またはお魚)を両方とも毎日2回以上は食べていますか(はい・いいえ)
  3. 「さきいか」、「たくあん」くらいの固さの食品を普通に噛みきれますか(はい・いいえ)
  4. お茶や汁物でむせることがありますか(いいえ・はい)
  5. 1回30分以上の汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施していますか(はい・いいえ)
  6. 日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施していますか(はい・いいえ)
  7. ほぼ同じ年齢の同性と比較して歩く速度が速いと思いますか(はい・いいえ)
  8. 昨年と比べて外出の回数が減っていますか(いいえ・はい)
  9. 1日に1回以上は、誰かと一緒に食事をしますか(はい・いいえ)
  10. 自分が活気に溢れていると思いますか(はい・いいえ)
  11. 何よりもまず、物忘れが気になりますか(いいえ・はい)
フレイルチェックで行うイレブンチェックの図

出典:東京大学高齢社会総合研究機構・飯島勝矢・フレイル予防ハンドブック

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