「春日部市立医療センター経営強化プラン(案)」の意見募集結果
「春日部市立医療センター経営強化プラン(案)」について、令和6年1月4日~令和6年2月2日の募集期間に寄せられた意見の概要と、それに対する市の機関の考え方を公表します。
寄せられた意見
提出方法 | 意見提出者数 | 意見提出件数 |
---|---|---|
直接 | 2人 | 15件 |
郵送 | 0人 | 0件 |
ファックス | 1人 | 1件 |
メール | 0人 | 0件 |
ホームページ | 1人 | 8件 |
合計 |
4人 |
24件 |
意見反映件数
24件のうち1件
寄せられた意見の概要とそれに対する市の機関の考え方
「第1章 はじめに」について
意見の概要
計画の期間について、社会情勢の変化などについての具体的な事例を記載すべきと思う。
市の機関の考え方
この部分は、計画期間内において柔軟に記載内容の見直しが可能であることを明確にする趣旨のため、具体的な事例を記載しなかったものです。
「第2章 医療センターの理念、基本方針及び概要」について
意見の概要
患者の尊厳と高い倫理観に基づいた医療の実践について、大きく期待します。
患者本人とその家族への心身のケアを医療界全体に心痛めることが多々あります。
患者の顔をあまり見ず、データー、パソコンから目を離さない!変わりないですか、と聞きながらその病気以外のことは聴いて貰えない!入院・病状の説明が納得いくように説明不足!等々
ゆっくりとその時の状況を聞いて貰える時間・余裕を確保して頂き、患者・家族が安心、信頼できるよう市立医療センターには実践して頂きたいです。
市の機関の考え方
患者や家族が安心し、信頼できるよう、医療センターの理念である「心ある医療」を提供するとともに、基本方針に定める3つの医療を実践していきたいと考えています。
意見の概要
働く人達への配慮は、人員は足りているのか、気になるところです。
市の機関の考え方
勤務時間の見直しやシフト改善などによる働き方改革の推進や、研修生・実習生の受け入れなどを通じて、スタッフへの配慮や人員確保に取り組んでいます。
意見の概要
標榜する科目について外来・救急対応・入院措置・相談などを実施することを明記してほしい。特に精神神経科。
市の機関の考え方
この部分は「概要」であることから、医療センターの診療科目や施設・設備等の基本的な内容について理解していただくことを趣旨としているため、具体的な内容を記載しなかったものです。
「第3章 医療センターを取り巻く環境と現状」について
意見の概要
チーム医療推進による出来高算定の強化とは言葉として患者にとって、特に市民にとってどのような将来像なのか明記してほしい。
効率化、強化という言葉には市民のための病院という期待値とはかけ離れた言葉に感じる。
市の機関の考え方
チーム医療推進による出来高算定の強化については、経営基盤の強化に向けた方向性の1つとして例示したもので、将来的な病院経営の効率化につながる有用な取り組みとして整理しております。
また「効率化」や「強化」の用語は、国のガイドラインで、持続可能な地域医療提供体制を確保するため、限られた医師・看護師等の医療資源を地域全体で最大限「効率的」に活用するという視点や、新興感染症の感染拡大等の対応という視点を持って、公立病院の経営を「強化」していくことが示されていることから、使用しているものです。
「第4章 前回プランの評価」について
意見の概要
ICU/CCUの病床はHCUとして運用しているということですが、なぜなのでしょうか。ICU/CCUを必要とする患者がいないのか、スタッフ確保の問題なのでしょうか。せっかく整備した機能が活かされていないのは患者にとっても残念です。
市の機関の考え方
病棟管理やHCU管理が必要な患者が多いという患者需要を踏まえ、多くの患者に、より適切な医療を提供するため、柔軟な対応を図っているものです。
意見の概要
麻酔医・救急科の専門医の確保について、探すだけでなく育成への支援体制などを盛り込んではどうか。
市の機関の考え方
この部分は、主に前回のプランの実施事項について記載していますが、本プランにおける令和6年度以降の取組としては、第5章「2医師・看護師等の確保と働き方改革」の中で、安定的な人材確保について記載しています。
意見の概要
精神神経科の専門医の体制について、 救急受入れなども含めて充実する意思を示すべきではないか。
市の機関の考え方
この部分は、主に前回のプランの実施事項について記載していますが、本プランにおける令和6年度以降の取組としては、第5章「2医師・看護師等の確保と働き方改革」の中で、安定的な人材確保について記載しています。
「第5章 医療センターの経営強化プラン」について
意見の概要
センターを建てた時、当時の市長さんが「総合診療科」がある、できるから安心ですって話していた気がしますが今はまだないのでしょうか。
市民の為の医療センターなので多くの人に冊子を手にしてもらいたいものです。
市の機関の考え方
本プランに記載の診療科目は、医療法で定められているものを記載しているため、総合診療科の記載はございませんが、総合診療を行う体制は整備され、複数の医師が輪番で診察にあたっています。
なお、本プランは策定後、春日部市役所の市政情報室に配架するとともにより多くの方に周知するため、ホームページで公開する予定です。
意見の概要
地域の基幹病院としての役割を果たすために、総合診療科の新設を望みます。
総合診療科の新設は再整備計画からありました。専門化・細分化した現代医療の中で患者を全人的に捉えた医療が求められています。その担い手としての総合診療医のニーズは急速に高まり、総合診療科を新設する病院も増えています。
複数の症状を抱える患者は何科を受診したらよいか迷うことが多く、かかりつけ医は紹介先の診療科の選定に困るということもあります。地域包括ケアの要として総合診療科は重要です。
総合診療科の新設に向けて具体的な構想を示してください。
市の機関の考え方
本プランに記載の診療科目は、医療法で定められているものを記載しているため、総合診療科の記載はございませんが、総合診療を行う体制は整備され、複数の医師が輪番で診察にあたっています。
意見の概要
地域医療として、高齢化で大きな課題になる、介護・認知症についての見解を示したほうがよい。また認知症患者・家族への支援体制(相談窓口)など市内には数少ない専門医のために受け皿がなく困っている市民が大変多い。予算も必要なので支援体制を今回のプランで示すべきではないか。
市の機関の考え方
医療センターとして果たすべき役割を記載しているため、介護・認知症に関する見解や、認知症患者・家族への支援体制は記載されていません。
意見の概要
地域包括支援センターケアマネとの連携の内容が具体的に示されていない。
市の機関の考え方
医療センターとして果たすべき役割を記載しているため、地域包括支援センターやケアマネージャーとの具体的な連携内容は記載されていません。
意見の概要
広報誌や医療センターホームページなどの活用、市民講座などはさらに充実してください。ホームページを見られない人のための工夫をしてほしい。2009年にDPC対象病院となり、2023年には紹介受診重点医療機関となりましたが、ホームページや院内の掲示だけでは住民の理解は深まりません。出前講座やタウンミーティングなど、多様な方法を工夫してください。
医療は住民と共に作るものだといわれています。住民の声が直接届くような場を設けてください。
市の機関の考え方
広報紙や医療センターホームページなどを活用しながら、市民公開講座などを開催し、医療センターの活動や治療内容に関する理解と普及を推進してまいります。
意見の概要
医師・看護師等の確保の取組に期待します。医師の働き方改革で、大学から地方への医師派遣が難しくなるという報道がありますが、センターではどのような方策を考えているのでしょうか。
市の機関の考え方
関連大学などとの連携強化、医療職就業貸付金の貸与、臨床研修医・実習生の受け入れなどによる人材の確保や、院内託児室の完備、復職支援など福利厚生の充実を推進してまいります。
意見の概要
医師業務の一部を他職種に移管する、タスク・シフト/シェアを図ることを検討するとありますが、対象としている職種、業務内容については示されていません。
厚労省が推進しているのは、看護師・薬剤師・診療放射線技師、医療事務・クラークなどで、看護師については、「看護師の特定行為研修制度」をあげ、具体的な「医行為」まで示しています。
医療センターでは具体的にどのように進めようとしているのでしょうか。「医行為」の移管は移管される専門職のストレスにもなりますし、患者の安全・安心にとっても大事な問題です。
厚労省が移管先としてあげている各職種とも定員の中でゆとりのない業務をしていると思います。医師の働き方改革のために安易に他職種に業務の移管をすることは多くの問題があると思います。
タスク・シフト/シェアを進めるにあたっては移管先との十分な話し合いとともに、スタッフの研修・教育を十分行い、スタッフの心身の加重負担にならないよう、そして患者の安全・安心が損なわれないように十分な配慮が必要と思います。
市の機関の考え方
医師業務の一部を他職種に移管することは慎重に行われるべきであり、対象となる職種や業務内容、移管の方法などを十分に検討する必要があります。
医師・看護師等の働き方改革を進めるため、安易に業務を移管するのではなく、慎重な検討と十分な協議を行い、医療の質と患者の安全性を確保しつつ、スタッフの負担を適切に管理して進めていきます。
意見の概要
第二種感染症指定医療機関として、新型コロナウイルス感染症対応の重点医療機関として、センターの果たしている役割の重要性は計り知れません。平時からの取組の強化に期待します。
市の機関の考え方
新型コロナウイルス感染症対応で培ったノウハウを活かし、新興感染症の感染拡大時に活用しやすい病床の整備や、薬品・診療材料などの備蓄、専門人材の育成などを進めます。
意見の概要
病院側の効率化は求められるが患者側の利便性との問題で一概にデジタル化のみが進められることのないように患者の立場に立った対応方針を明記してほしい。
市の機関の考え方
「患者の利便性の向上」についても記載していることから、患者の立場にも十分に配慮しています。
意見の概要
救急科設置とER型救急の導入は、前回プランと同じです。救急医療はセンターの政策医療の柱の一つで、春日部市としての救急医療の強化は必須だと述べています。また、住民にとって最も身近で命に直結するものです。救急専門医の確保が問題なのか、それとも他にどのような問題が障害になっているのか。それらを明らかにして、4か年計画なのですから具体策を示してください。
市の機関の考え方
全体的に救急専門医が少ないという状況にあることから、引き続き救急専門医の確保に努め、救急医療の強化を図る取り組みを記載しています。
意見の概要
救急受入件数を増やすという目標ですが、取組内容に具体性がないように思います。
救急車が来ても受入病院を探すのに時間がかかる、市外の病院に搬送されたが死亡した、などの事例があります。救急患者が速やかに医療に結びつくための仕組みを早急に作ってください。
地域包括ケアシステムでのセンターの役割としても、救急医療システム、地域ネットワークの構築は重要だと思います。
市の機関の考え方
取組内容については、持続可能な地域医療提供体制を確保するために必要な経営強化の取組を記載するものであることから、個別具体的なものではなく全体の方向性について記載しています。
救急患者が速やかに医療に結びつくための仕組みやネットワークの構築は、医療機関単独で構築できるものではないことから、関係機関との連携・協議を進め、対応を図っていく必要があるものと考えております。
意見の概要
DPC制度上で出来高算定可能な加算などの算定を強化します、とあるが、患者に必要な医療を行ったことに対して出来高算定をするのだと思いますが、これを強化するとはどういうことなのでしょうか。実際行った医療行為の見落としがないように算定する、ということなのか、それともどのようなことを指しているのでしょうか。
市の機関の考え方
これまで行ってきた無駄のない効率的な医療の追求による医療費の抑制や医療の平準化をより一層進めるための例示としてDPC制度上における出来高算定可能な加算を記載しているもので、具体的な行為を指しているものではありません。
意見の概要
会計システムその他、院内の機械化が進んでいます。高齢者などは新しいシステムに戸惑いや不安を覚える場合が少なくありません。器械と患者をつなげるスタッフの活動は患者の不安を和らげてくれます。患者にとって安心してかかれる病院としてこれからも活動してほしいと思います。
市の機関の考え方
医療センターのスタッフとして、患者の不安を少しでも解消できるよう、医療センターの理念である「心ある医療」を提供するとともに、基本方針に定める3つの医療を実践していきたいと考えています。
「経営強化プラン全体」について
意見の概要
医療センターが地域の基幹病院として、またセンターの理念や基本方針をもとに努力をしていることがよくわかります。しかし、「安全で質の高い医療の提供」や、「患者さんの人格と生命の尊厳を尊重した全人的医療を実践します」という基本方針がどのように施策に結びついているかあまり読み取れませんでした。外来化学療法での「高稼働による患者の受入強化」、「ハイケア病床の高稼働」などの言葉からは、患者への配慮が感じられませんでした。
市の機関の考え方
基本方針と取組(施策)の関係性については、第2章で医療センターの理念や基本方針を位置づけ、病院運営全体の指針として提示し、第5章では病院運営全体における経営強化に特化した内容を記載しています。
このようなことから「高稼働」という用語については、持続可能な地域医療提供体制を確保するための必要な経営強化の取組の一つとして、基本方針に定める患者の利益に反しないことを前提として、第5章に記載しています。
意見の概要
プランの性格上、専門用語が多くなるのは仕方のないことですが、簡単な注釈があると理解しやすいと思います。(DPC制度、ER型救急、タスク・シフト/シェアなど)
市の機関の考え方
プランの巻末に用語集を追加します。
意見の概要
私たちは市民の宝である医療センターが今後も「心ある医療の提供」に努めてくださることを願っています。応援していきます。
市の機関の考え方
医療センターのスタッフとして、患者の不安を少しでも解消できるよう、医療センターの理念である「心ある医療」を提供するとともに、基本方針に定める3つの医療を実践していきたいと考えています。
これらの資料は、令和8年3月31日(火曜日)まで次の場所で閲覧できます。ただし、それぞれの閉庁・休館日を除きます。
- 市立医療センター3階 経営財務課
- 市役所3階 市政情報室
- 庄和総合支所2階 市政情報室
- 教育センター1階 学習情報サロン
- 市民活動センター「ぽぽら春日部」
- 男女共同参画推進センター「ハーモニー春日部」
- 各公民館
更新日:2024年06月17日