百日咳の感染に注意しましょう

更新日:2025年08月13日

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現在、全国的に百日咳が流行しており、感染者数が多い状況が続いています。

百日咳は、百日咳菌の感染によって特有のけいれん性の激しい咳発作を特徴とする急性の気道感染症です。

百日咳は世界的に見られる疾患で、いずれの年齢でもかかりますが、小児が中心となっています。母親からの免疫が十分でなく、乳児期早期から罹患する可能性があり、乳児(特に新生児や乳児期早期)では重症になり、肺炎、脳症を合併し、まれに死に至ることもあります。

感染経路

咳やくしゃみによる「飛沫感染」と、患者の鼻咽頭・気道からの分泌物に触れた手指や器具などを介する「接触感染」とされています。

症状

経過は3期に分けられ、全経過で約2~3カ月で回復するとされています。

1. カタル期(約2週間持続) :かぜ症状で始まり、次第に咳の回数が増えて程度も激しくなります。


2. 痙咳期 けいがいき(カタル期の後に約2~3週間持続):次第に特徴ある発作性けいれん性の咳(痙咳)となります。夜間の発作が多いですが、年齢が小さいほど症状は多様で、乳児期早期では特徴的な咳がなく、単に息を止めているような無呼吸発作からチアノーゼ(顔色や唇の色や爪の色が紫色に見えること)、けいれん、呼吸停止と進展することがあります。合併症としては肺炎や脳症などもあり特に乳児では注意が必要です。

3. 回復期:激しい発作は次第に減衰し、2~3週間で認められなくなります。成人の百日咳では咳が長期にわたって持続しますが、典型的な発作性の咳を示すことはなく、やがて回復に向かいます。全経過で約2~3カ月で回復します。

予防のポイント

・手洗いや手指衛生といった基本的な対策の徹底、 鼻汁・咳などの呼吸器症状がある場合は「咳エチケット」を行い、マスクが着用できる年齢の子どもや大人はマスクを使用することが重要です。

・5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)等の予防接種が有効です。 

【ワクチンの種類】

・5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib):百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオ・ヒブ(インフルエンザ菌b型)

・3種混合ワクチン(DPT): 百日咳・ジフテリア・破傷風

 ※3種混合ワクチン(DPT)は、現在限定出荷となっています。接種を希望しても、長期お待ちいただく場合があります。

予防接種法に基づき、定期予防接種は生後2か月から7歳6ヶ月未満までで計4回接種が実施されています。接種が済んでいない場合は、医療機関にお問い合わせ(予約)の上、接種をしましょう。

 

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