春日部市内で見つかった生き物紹介

更新日:2021年12月08日

ページID : 9906

春日部市では身近な環境への関心を深めてもらうためにみんなで取り組む生き物さがしを実施しています。このページでは、調査員の皆さんからもらった生き物発見報告の中で、特に報告件数が多かった生き物や、市内で見つかった珍しい生き物を紹介しています。生き物さがしをする際の参考にしてください。

散歩や出かける際に生き物を発見し、観察できたら地理情報システム「かすかべオラナビ」に投稿してください。投稿方法は、かすかべオラナビ生き物調査マップの投稿方法について(PDFファイル:237KB)かすかべオラナビ生き物さがし投稿方法を紹介します(YouTube動画)(外部サイト)を確認してください。
皆さんからの生き物発見報告をお待ちしています。

春日部市で見つかったチョウ

春日部市の豊かな自然には色とりどりの模様をもつ個性あふれる美しいチョウが多く暮らしています。調査員の皆さんから報告があった、発見数の多かったチョウたちです。

ヤマトシジミ

薄黄色の羽根に黒の斑点入りのヤマトシジミの写真

木にとまり羽を休めるヤマトシジミ

薄い青色の羽根のヤマトシジミの写真

羽を大きく広げるヤマトシジミ

羽の形が貝類のシジミに似ている小型のチョウです。幼虫が食べる植物、カタバミが生える環境であればどこでも見つけることができます。住宅の庭や草地など多くの場所で観察できます。

アゲハとキアゲハ

葉の上で羽根を広げるアゲハの写真

羽の付け根に模様があるのがアゲハ

葉の上で羽根を広げるキアゲハの写真

羽の付け根が黒く塗りつぶされているのがキアゲハ

淡い黄色に黒の筋模様が印象的な大型のチョウです。住宅の庭や公園など、さまざまな場所で観察できます。アゲハとキアゲハは姿がとても似ていますが、よく観察すると違いがわかります。アゲハは羽の付け根部分が黒色の筋模様なのに対し、キアゲハは黒く塗りつぶされています。見分けるときには羽の付け根部分を観察してみましょう。

クロアゲハ

赤紫色の松葉ボタンの花にとまるクロアゲハの写真

オスの羽の表面はほぼ黒色、メスの羽の表面は淡い黒色地に黒い縦模様が入っています。オス、メスどちらも赤い三日月の模様が黒色の羽によく映えます。樹木などが生い茂ったやや暗い日当たりの悪い場所を好み、チョウ道と呼ばれる一定の探索ルートを巡回します。

モンシロチョウ

枯葉の上にとまるモンシロチョウの写真

羽を休めるモンシロチョウ

ヒメジョオンの白い花にとまるモンシロチョウの写真

花にとまるモンシロチョウ

小さくかわいらしいチョウです。畑や公園などいろいろな環境で観察でき、白色の羽に黒っぽい丸模様があります。幼虫はキャベツやコマツナなどの野菜を食べてしまうので、かわいい反面、害虫でもあります。

ツマグロヒョウモン

全体が茶色の羽根に黒い斑点が入ったツマグロヒョウモンのオスの写真

ツマグロヒョウモンのオス

羽の先端がグレーと白のツマグロヒョウモンのメスの写真

ツマグロヒョウモンのメス

鮮やかなオレンジ色に黒色のヒョウ柄模様の羽を持つ中型のチョウです。幼虫はパンジーなどのスミレ科の植物を食べるため、住宅の花壇や公園などでよく観察できます。オスとメスは羽の先の模様が異なるため、簡単に見分けることができます。もともとは東海地方より南で観察できるチョウでしたが、地球温暖化の影響で観察できる地域が広がりました。

参考文献

「フィールドガイド 日本チョウ」日本チョウ類保全協会編 成文堂新光社

写真提供

調査員No (なんばー)46さん、調査員No (なんばー)52さん、H.Uさん、M・Tさん

春日部市で見つかったトンボ

いくつもの川が流れる水環境豊かな春日部市には多くの種類のトンボが暮らしています。調査員の皆さんから報告があった、発見数の多かったトンボたちです。

シオカラトンボ

若い稲穂にとまるシオカラトンボの写真

シオカラトンボのオス

葦の葉にとまるシオカラトンボの写真

シオカラトンボのメス

淡い水色の体に透明な羽、深い水色の美しい目をしています。メスの体は麦の稲穂のような色をしているため、「麦わらトンボ」と呼ばれることもあります。体の色が違うため、一見違う種類のトンボのように見えます。

コシアキトンボ

川辺の葉にとまるコシアキトンボの写真

コシアキトンボのオス

木の枝にとまるコシアキトンボのメスの写真

コシアキトンボのメス

黒い体に真っ白な腰が目立つ中型のトンボです。腰の部分が白いのは成熟したオスだけで、未熟なオスやメスは鮮やかな黄色をしています。腰の部分に色が付くことで、体とおしりが離れている(腰があいている)ように見えます。

アキアカネ

コンクリートにとまるアキアカネの写真

大きな目を輝かせるアキアカネ

葦の葉にとまるアキアカネの写真

草の葉で羽を休めるアキアカネ

赤とんぼとしてよく知られているトンボの一つです。真っ赤なイメージがありますが、体全体が赤いわけではありません。頭や胸は赤くならず、秋になるとおなかが赤く変化します。初夏に田んぼで生まれ、暑い時期を山で過ごします。

ギンヤンマ

水辺を背景にして力強く羽ばたくギンヤンマの写真

水辺を飛ぶギンヤンマ

つがいになり、田んぼで産卵するギンヤンマの写真

ギンヤンマの産卵

池沼や河川のそばに暮らし、美しい黄緑色の体をしています。オスのおなかの付け根辺りは鮮やかな水色をしており、水辺を巡回しながらパートナーとなるメスを探します。

ハグロトンボ

胴体を青く光らせ、葉の上で静止するハグロトンボの写真

葉にとまるハグロトンボ

尾の先をくっつけあい交尾するハグロトンボの写真

ハグロトンボの交尾

藍色の羽を持ち、オスのおなかはキラキラ輝いて見えます。チョウのように4枚ある羽を閉じて止まり、うす暗い環境を好みます。気温が高い日には時折羽をパッと開きます。

参考文献

「ネイチャーガイド日本のトンボ」尾園 暁 (おぞの あきら)・川島 逸郎 (かわしま いつろう)・二橋 亮 (ふたはし りょう) 文一総合出版

写真提供

埼玉県生態系保護協会 春日部支部 「春日部市で見られるトンボ(PDFファイル:731.7KB)」、調査員No (なんばー)15さん

調査員No(なんばー)15さん

春日部市で見つかったセミ

春日部市にも夏の風物詩として知られ、夏の訪れを感じさせてくれる多くの種類のセミが暮らしています。調査員の皆さんから報告があった、発見数の多かったセミたちです。

ツクツクボウシ

葦の葉にとまるツクツクボウシの写真
葉にくっついたツクツクボウシの抜け殻の写真

模様のない透明な羽に、細長い体、他のセミにはない特徴的な声をしています。おなかを伸び縮みさせ「オーシンツクツク」と鳴きます。抜け殻は小さく白っぽい色をしています。

アブラゼミ

木の枝の上で交尾するアブラゼミの写真
葉にくっついた三つのアブラゼミの抜け殻の写真

日本のセミの代表種で一番なじみ深いセミです。体は黒色で、木になじむ茶色のまだら模様の羽を持ち、「ジリジリ」と鳴きます。土の中から地上に現れたセミの幼虫は、枝の先まで移動し羽化します。

ミンミンゼミ

木にとまりじっとしているミンミンゼミの写真

木にとまったミンミンゼミ

木にくっついたミンミンゼミの抜け殻の写真

ミンミンゼミの抜け殻

他のセミと比べて体が短く、太いずんぐりとした体をしています。流れる脈の様子がよく観察できる透明の羽を持ち、「ミーンミーン」と鳴きます。抜け殻はアブラゼミの抜け殻とよく似ています。

参考文献

「改訂版 日本産セミ科図鑑」林 正美 (はやし まさみ)・税所 康正 (さいしょ やすまさ)編著 誠文堂新光社

写真提供

埼玉県生態系保護協会 春日部支部 「春日部市で見られるセミ(PDFファイル:793.2KB)

その他(季節の変化を感じた動植物など)

調査対象の生き物(チョウ、トンボ、セミ)以外、その他(季節の変化を感じた動植物など)の生き物たちについてもたくさん報告があります。

アオスジアゲハのたまご

クスノキの若い芽についたアオスジアゲハの卵の写真

小さなアオスジアゲハのたまご

アオスジアゲハのたまごは、食草であるクスノキなどに産み付けられます。産卵後すぐのたまごは薄い黄色で孵化が近づくと、たまごが透けて中に幼虫の姿を見ることができます。たまごから出てきた小さな幼虫は、最初に自分の入っていたたまごの殻を食べます。

ナミアゲハの幼虫

カラタチの枝の上で角を出し威嚇するナミアゲハの幼虫の写真

臭角を出すナミアゲハの幼虫

ナミアゲハの幼虫は、刺激を受けると黄色のツノを出します。このツノは臭角といい、独特なくさい臭いがします。臭角からのくさい臭いや、目玉のように見える模様で外敵から身を守っています。サンショウ類やミカン科の植物で観察できます。

ヤブキリの幼虫

白いネットにしがみつくヤブキリの写真

鮮やかな緑色のヤブキリの幼虫

ヤブキリは、キリギリスの仲間で平地から山地のやぶや草地などで観察できます。夏の初めから秋にかけて「じー」とオスだけが鳴きます。成長するにつれて体が大きくなり、アゴと前脚のトゲが発達していきます。中には、雑食の個体もおり、他の昆虫などを食べてしまうこともあります。

ナナフシ

木の枝の節の模様そっくりな体で擬態を行うナナフシの写真

木の枝に擬態するナナフシ

ナナフシは、細長い体に細長い脚、木の枝に擬態し外敵から身を守ることで有名な昆虫です。平地から少し標高の高い場所まで、食草となるバラ科の植物やクヌギなどで観察することができます。小さな幼虫は脱皮を繰り返し、枝のようにゴツゴツした大きな体へ成長していきます。

アカスジキンカメムシの脱皮

葉の上で脱皮したアカスジキンカメムシとその抜け殻の写真

アカスジキンカメムシの脱皮

アカスジキンカメムシは、キンカメムシの仲間で光沢のあるきれいな体をしています。金色をまぶしたような緑色に赤地の独特な筋模様が美しい昆虫です。他のカメムシと同じように、くさい臭いのする液体を体から出します。羽化直後のアカスジキンカメムシは黄色っぽい色をしていますが、時間がたつにつれてきれいな模様が完成し、緑色に変わります。

キジのオス

稲わらのなかを散歩するキジのオスの写真

散歩するキジのオス

キジのオスは、顔に真っ赤な肉冠があります。頸 (くび)は紫色、胸は緑色で光沢があり、鮮やかな見た目をしています。オスの鮮やかな見た目に対し、メスは薄い茶色と黒色の体で地味な見た目をしています。長い尾羽が特徴的です。平地から山地の草原や農耕地などに住み、地上で昆虫や植物の種や実を食べます。

写真提供

調査員No (なんばー)30さん、調査員No (なんばー)32さん、調査員No (なんばー)46さん、しょうちゃんさん、M・Tさん

春日部市で見つかった珍しい生き物

希少種や絶滅の恐れがある生き物の発見情報もありました。これらの生き物を守るためにも、自然環境を大切にしましょう。

アサマイチモンジ

葉の上にとまり羽を広げるアサマイチモンジの写真

写真:羽を広げるアサマイチモンジ

タテハチョウ科の中型のチョウで、黒い羽に白い帯状の模様が目立ちます。羽の裏面は明るいオレンジ色をしており、中央にはV字状の模様がある日本固有の種です。スイカズラやハコネウズキなどのスイカズラ科の植物が生える平地から産地の林に暮らしています。準絶滅危惧2型(埼玉県)の生き物です。

オオチャバネセセリ

葦の葉の上で羽を休めるオオチャバネセセリの写真

羽を休めるオオチャバネセセリ

セセリチョウ科のチョウで、タケ・ササ類の生える平地から山地の草地や河川敷などに暮らしています。1980年代後半から徐々に個体数が減少し、2000年代以降は急減してしまいました。準絶滅危惧2型(埼玉県)の生き物です。

ギンイチモンジセセリ

草むらのなかで葉にとまり、羽を休めるギンイチモンジセセリの写真

写真:植物にとまるギンイチモンジセセリ

セセリチョウ科の小型のチョウで、細長い羽に体側から外側に向けて銀白色の線模様が走っています。羽の裏側は表側と打って変わり、模様がなく黒一色です。ススキやオニノガリヤスなどが生える草地に暮らしています。準絶滅危惧2型(埼玉県)、準絶滅危惧(環境省)の生き物です。

カワセミ

池のそばの岩にとまるカワセミの写真

小さな池のそばで見つかったカワセミ

コバルトブルーの小さな体に、色鮮やかなオレンジ色のおなかを輝かせるカワセミ科の鳥です。メスの個体のくちばしは赤色をしています。河川や小沼などの水辺の環境で観察できます。水質改善とともに、都市部の河川などで観察できるようになりました。地帯別絶滅危惧(埼玉県)の生き物です。

アシナガモモブトスカシバ

葉の上で体を休ませるアシナガモモブトスカシバの写真

後ろ足が特徴的なアシナガモモブトスカシバ

チョウ目ガ類スカシバ科のガです。小さな体は、茶色や白色の毛で覆われており、長い後ろ足が特徴的です。幼虫はゴキヅル(ウリ科)の茎に虫こぶを作り成長します。寄主植物がゴキヅルに限られるため、生息場所が極限されます。準絶滅危惧1型(埼玉県)、絶滅危惧2類(環境省)の生き物です。

参考文献

「フィールドガイド 日本チョウ」日本チョウ類保全協会編 誠文堂新光社
「埼玉県レッドデータブック動物編2018(第4版)」埼玉県環境部みどり自然課 関東図書 株式会社

写真提供

調査員No (なんばー)15さん、調査員No (なんばー)46さん、調査員No (なんばー)47さん、サンシャインさん

この記事に関するお問い合わせ先

環境政策課 環境政策担当
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