骨粗しょう症にならないために
骨粗しょう症とは
骨粗しょう症は、骨密度が低くなり、骨折しやすくなる病気のことです。
痛みなどの自覚症状がほとんどないのに、尻もちをつく、などといったちょっとした刺激で、重篤な骨折につながることもあります。
閉経後の女性や高齢者に多い病気ですが、最近では「やせ」による栄養不足から、若い女性が発症するケースも増えています。
骨粗しょう症予防
1.食事
食事は、「規則正しくバランスよく」が基本です。
食事をする中で、骨を作るために必要なカルシウムを摂取することは大切なことです。しかしカルシウムは吸収されにくい栄養素のため、吸収を助けるビタミンD・ビタミンKや骨を丈夫にするたんぱく質を食べるように心がけることが大切です。特に、カルシウムは、不足しがちな栄養素です。一日700~800ミリグラム(例:牛乳1杯、木綿豆腐1/2丁、小松菜1/3束、さくらえび大さじ1杯、いりごま大さじ1強)を目安に取りましょう。
- カルシウム
例:牛乳・乳製品、大豆製品、緑黄色野菜、小魚、海藻、ごま
- ビタミンD
例:魚、きのこ
- ビタミンK
例:納豆、緑黄色野菜、卵
- たんぱく質
例:肉、魚、卵、牛乳・乳製品、大豆製品
注意
加工食品や塩分、コーヒーは過剰に摂りすぎるとカルシウムが排出されやすくなってしまいます。摂りすぎには注意してください。
高血圧や糖尿病などで、医師・管理栄養士から食事指導を受けている方は、その指導に従ってください。
2.運動
運動によって骨は刺激されて強くなります。骨を強くするためには、生活の中に散歩やゲートボールなどの軽い運動や、こまめに家事をするなどの活動的な習慣を取り入れることが大切です。
目安:1日30分息が弾む程度の運動
例:
- ウオーキングや歩くペースを少し早くする
- 日常生活でこまめに体を動かす
- 水泳:週2回、自分でできるスタイルでゆっくり30分程度泳ぐ・歩く
- 自転車は、いつもの買い物のついでにちょっと遠出をするつもりで1時間くらい
など
ご自身の体調に合わせて、無理なく続けましょう。
3.その他、生活習慣
- 禁煙
喫煙は骨に悪影響を与え、骨密度を低下させます。禁煙しましょう。
- 日光浴
目安は、夏:木陰で15分~30分、冬:日向で30分~1時間。
カルシウムの吸収を助けるビタミン D の約 80%は日光に当たることで合成することができます。毎日、適度な日光浴をしましょう。日焼けが気になる方は手のひらを日光浴させるのもおすすめです。直射日光は避けて、木陰や窓際・お買い物、洗濯物を干したりなどで十分です。
- 過度なダイエットはやめましょう
過度なダイエットにより、必要なエネルギーや栄養素が足りていないと骨に悪影響を及ぼしかねません。低体重の人ほど骨密度が低いこともわかっています。
BMIが22以上25.0未満が理想です。(BMI=体重(キログラム)÷身長(メートル)÷身長(メートル))
治療
「骨粗しょう症」と診断された場合は薬による治療の対象となります。
骨粗しょう症の治療はすぐに効果が表れるものではなく、1~2年と時間がかかる場合があります。
そのため自己判断で服薬をやめてしまう方も少なくありませんが、途中でやめてしまうと骨折の予防が難しくなります。医師とよく相談しながら、根気強く治療を継続して強い骨を作っていきましょう。
更新日:2024年04月01日