消費生活センターの相談事例
埼玉県消費生活支援センターや春日部市消費生活センターに寄せられた問題商法など特徴的な相談事例とアドバイスを紹介します。
目次
相談1 「電子マネーを買ってきて」と言われたら注意!
相談2 アダルトサイトのしつこい不当請求
相談3 いつの間にか子どもがオンラインゲームで高額課金をしてしまった
相談4 お試し1回限りのつもりだったのに、定期購入契約になっていた
相談5 インターネット通信販売の解約・返品をするには
相談6 商品購入前に確認を 有名企業の公式サイトだと思ったら模倣サイトだった
相談7 一方的に送られた荷物は「すぐ処分可能」になりました
相談8 「保険金が使えます」という住宅修理サービスの契約トラブル
相談9 不安をあおって契約させる給湯器の点検商法に注意
相談10 汚水枡(ます)の無料点検等を名目とした点検商法に注意
相談11 レスキュー商法のトラブルにご注意
相談12 貴金属などの「訪問購入」慎重に判断を
相談13 柔軟仕上げ剤のにおいで体調不良になった
相談14 ESTA、eTAなどの電子渡航認証の申請代行サイトで高額請求された!
相談1 「電子マネーを買ってきて」と言われたら注意!
アダルトサイトの架空請求、パソコン、スマホのウイルス感染詐欺など、インターネット環境を利用したトラブルが多くなっております。
その支払い手段として、インターネット上で使える電子マネーの購入を指示され、購入後、相手に番号を伝えることで電子マネーの金額をだまし取られる詐欺が多発しております。
事例
自分のパソコンに突然、コンピューターウイルスに感染したとの画面が出た。
気が動転してしまい、画面内にある電話番号に電話をかけたところ、担当者から「パソコンの復旧プログラムを提供する、支払いは電子マネーで支払ってほしい」と言われ、相手から促されるままコンビニへ行き、電子マネーを購入し、電子マネーの番号を教えてしまった。
解説
インターネット上で利用できる電子マネーは、番号の入力だけで決済ができて便利な反面、その仕組みが悪質な事業者に利用されやすいというリスクがあります。電子マネーに記載された番号を相手に教えてしまうことは、電子マネーが手元にあっても、相手に電子マネーの購入金額をすべて渡したことと同じです。
後でだまされたことに気が付いても、一度相手に渡した金額を取り戻すことが難しくなります。
相手から電子マネー購入を指示されても、安易に信用せず、少しでも怪しいと思ったら一人で判断せず、消費生活センターに相談してください。
事例2-1
パソコンで無料のアダルトサイトにアクセスし「18歳以上」と「動画再生」のボタンをクリックしたら、突然「登録完了、2日以内なら6万8千円、それ以降は9万8千円を支払うように」という請求画面が出て、動かなくなった。支払わないといけないか。また、請求画面を消したいがどうしたらよいか。
事例2-2
スマートフォンで漫画同人雑誌の画像をダウンロードしたらアダルトサイトに「登録されました」と表示され、9万9,800円を請求された。「間違って登録した人は退会メールをください」と書いてあったのでメールをしたら、次々と知らない業者から請求メールが届くようになった。請求額が高くとても支払えない。
解説
パソコンやスマートフォンで、「無料と思いアダルトサイトにアクセスしたら登録完了と表示され、請求画面が消えない」「業者から電話やメールでしつこく請求がくる」という相談が多く寄せられています。
このようなサイトは、利用者を巧みにサイトへ誘導し会員登録したかのように思わせ、高額料金を請求します。また、期限までに支払わなければ法的措置を取ると脅して、連絡させるように仕向けます。 慌てて電話やメールなどをしてはいけません。
消費者へのアドバイス
- 興味本位で気軽にアクセスしたり、安易にアプリのダウンロードをするのはやめましょう
- 業者から電話やメールが次々に来ても連絡を取ってはいけません。料金を請求されても、利用していなければ支払う必要はありません
- 電話やメールの受信・着信拒否機能を利用したり、メールアドレスを変更したりしましょう。最新のウイルス対策ソフトの導入も有効です
- 業者からの督促や脅迫などがあった場合は、1人で悩まずに消費生活センターに相談してください
- 請求画面を消す方法は、情報処理推進機構(IPA)のホームページ(外部サイト)(別ウインドウで開く)を参考にしてください
事例3-1
小学生の息子にねだられ、息子のスマートフォンに私のクレジットカードを登録してオンラインゲームのアイテムを購入した。その後、息子が勝手に100万円を超える課金をしてしまった。息子のスマートフォンに私のカード情報が記録されたままになっており、パスワードは都度入力する必要がない設定になっていた。
事例3-2
中学生の息子がオンラインゲームをしたいというので、私のスマートフォンをしばらく貸していたところ、携帯電話業者から電話利用料とともにゲームアイテムなどの料金、併せて120万円が請求された。
事例3-3
高校生の息子に「200円だけ」と言われ、息子のスマートフォンに私のクレジットカードの番号と暗証番号を入力した。入力した暗証番号などは自動で端末から削除されると思っていたが、後日、仕事の決済をしようとしたら限度額まで使われており決済できなかった。確認すると息子が50万円を超える課金をしていた。
解説
オンラインゲームで子どもが保護者に無断で課金などを行い、高額請求となったという相談が増加しています。
この中では、保護者が「ペアレンタルコントロールに関して知らなかった」「スマートフォンの電話利用料金と合算してアイテムなどの購入代金も支払うこと(キャリア決済)ができるとは思わなかった」「パスワードは課金の都度、入力するものだと思っていた」など、オンラインゲームでの課金や決済の仕組みについての理解が不十分であったため、子どもが課金を繰り返し行ったと思われる事例が見られます。
子どもとお金の大切さやスマートフォンなどの端末とオンラインゲームの利用ルールを話し合って理解させるとともに、保護者自身もIDやパスワード、決済の設定状況の管理などの重要性を認識し、予期せぬ高額請求を防ぐようにしましょう。
消費者へのアドバイス
- 子どものスマートフォンなどの端末や、ゲーム機器の利用を管理するための「ペアレンタルコントロール」機能を活用しましょう
- 決済時に都度パスワード(暗証番号)を入力する設定になっているかを確認する、キャリア決済の上限額を設けるなどしましょう
- 請求の見落としを防ぐため、課金を行った際には、保護者が普段使用しているメールアドレスに決済完了メールが届くよう設定しましょう。また、クレジットカードの利用明細はこまめに確認しましょう
事例4-1
高校生の娘がスマートフォンで広告を見て、ダイエット・美肌効果をうたった健康食品の10日分10包モニターセット100円を1カ月前に注文したらしい。娘はお試し1回購入だけのつもりだったらしいが、最近、同商品30日分が届き5,000円の請求書が入っていた。事業者に確認すると、最初の10日分を含め4回購入約束の定期購入契約だと言われた。合計1万円以上になる。解約できるのは4回購入後だという。今すぐ解約したい。
事例4-2
スマートフォンで動画共有サイトを見ていたところ、ダイエットや細胞を活性化させ体調を整える効果がある酵素食品が、初回500円で購入できるとの広告が出てきたので申し込んだ。送られてきたものを1週間食べたら体調が悪くなったため、電話で解約の申し入れをしたところ、4回の定期コースになっているのであと3回は購入してもらわなければならないと言われた。解約を要望すると、通常販売価格5,182円(うち500円は支払い済み)で買い取ってもらえるなら3回分は解約に応じるという。高額なので納得いかない。
解説
インターネット通販で、健康食品やサプリメントが、「お試し価格」で安価で購入できるとあったので、申し込んだところ、お試しのつもりが定期購入の契約だったという相談が多数寄せられています。
消費者へのアドバイス
- インターネット通販では、広告で一定の表示をすることとされていますが、定期購入であることが分かりにくく表示されている場合や小さく表示されている場合があります。注文を確定する前に必ず規約や最終確認画面で契約事項を確認しましょう
- お得感を強調した広告や最終確認画面等は必ずスクリーンショットや印刷をして保存しましょう
- 販売事業者と電話がつながらない場合は、いつ、何回かけたか等の履歴・メモ等を残しておきましょう
- 商品を一方的に送り返しても解約にはならず、支払いの督促は止まりません。解約には必ず販売事業者の合意が必要です
- 未成年者が、お試し価格で安価なため小遣いで払えると思い、保護者の知らない間に注文し、トラブルになる事例もあります
事例5-1
インターネットの通販サイトで洋服を注文した。届いたものを見たら自分のイメージと違っていたのでキャンセルを申し出たが、できないと言われた。解約したい。
事例5-2
インターネットで中国語の教材を注文した。届いた本を読んだら自分のレベルと違うものだったので、返品したい。
解説
インターネットを利用して商品などを注文した場合は、特定商取引法の通信販売に関する規定が適用されます。「返品はできません」などの返品特約があるときは、返品特約に従うことになります(通信販売にはクーリング・オフはありません)。返品特約の表示が、最終申し込み画面にない場合は、返品特約は有効とならず、商品到着日から起算して8日以内であれば申し込みの撤回や契約の解除ができます(そのためスクリーンショットや印刷が必要)。クーリング・オフとは異なり、返品に要する費用は消費者が負担します。
なお、通信販売での解約は、商品の返還費用などの規定以外は、民法の原則によります。事業者と消費者双方が原状回復義務を負い、消費者は商品を返し、事業者は代金を返すことになります。しかし、消費者の行為や過失で商品を傷つけたりした場合、解除権は消滅し、返品できなくなります。返品が難しい例として、開封済みの書籍やCDがあります。
消費者へのアドバイス
- 通信販売は実物を見ないで注文するため「イメージが違った」などということがよくあります。事前に利用ガイドなどで返品特約に目を通し、分からない場合には事業者に問い合わせて確認しておくようにしましょう
- 注文した商品の情報や注文画面をプリントアウトしておき、代金振り込みの控えなども保存しておきましょう。届いた商品が注文したものと違ったり、不良品であったりして、交換や返品を依頼するときに役立ちます
- 前払いのときはお金だけ支払って商品が届かないケースがあります。支払方法に前払いだけでなく、カード支払い、代金引換など複数用意されているショップを選ぶようにしましょう
事例6-1
有名家具店の公式サイトと思い、欲しかったソファの価格が定価の5万円から約2万円と安くなっていたので購入した。受注メールが届かないので、改めてサイトを確認したところ、URLが公式サイトと違っており、偽サイトだと気付いた。
事例6-2
有名家電メーカーの公式サイトだと思い、格安で販売されていた掃除機を注文した。受注メールは届いたが、なかなか商品が届かなかった。不審に思っていたところ、注文した商品とまったく関係のない偽ブランドのマフラーが送られてきた。家電メーカーに確認したところ、偽サイトを利用していたことが分かった。
事例6-3
子どもへ人気の家庭用ゲーム機をプレゼントしようと思い検索サイトで検索をした。販売以来の人気商品でなかなか商品を購入することができなかった。根気よく検索をしていると、有名通信販売サイトに出店をしているゲーム機販売サイトでメーカー希望価格より1万円上乗せされた価格で販売されていた。定価より高額であったが、子どもの喜ぶ顔見たさで購入を決めた。代金の支払い先が個人名であったが、受注メールなどの取引メールのやり取りもしていたので信用し、代金を振り込んだ。商品発送の連絡と輸送会社の問い合わせ番号の通知が届いたが、一向に商品が届かないため、輸送会社へ問い合わせたところ、教えられた問い合わせ番号は存在していなかった。購入先のサイトへ連絡するも応答もなく、有名通信販売サイトへ問い合わせたところ、偽サイトであることが分かった。
消費者へのアドバイス
- 有名企業などの公式サイトによく似た模倣サイトで商品を注文し、代金を支払ってしまったという相談が多く寄せられています
- 模倣サイトでは、日本語表記が明らかにおかしいものもありますが、最近では見分けがつかないほどよく似ているものもあります。販売価格が大幅に値引きされている場合などは、模倣サイトの可能性が高く、注意が必要です
- 模倣サイトでクレジットカード決済をしたことに気付いたときは、すぐにクレジットカード会社へ連絡しましょう
- 特に家族の記念日(誕生日など)やクリスマス、年末年始にかけて家庭用ゲーム機等の需要が高まる時期に、「在庫あります」や「あと残り〇〇 (まるまる)個」などと表記し、消費者の心理につけ込む販売をしてきます。購入の際には十分検討をするようにしましょう
送り付け商法について、特定商取引法が改正され、令和3年7月6日以降、注文や契約をしていないのに、事業者が金銭を得ようとして一方的に送り付けた商品や荷物は、受け取ってすぐに処分できることになりました。
また、その商品の代金の請求や返品、補償を要求されても応じる必要はなく、誤って支払った金銭は返金するよう求めることができます。海外から送付された場合にも適用されます。
事例7-1
私宛に荷物が届き、特に確認せず受け取って開封すると、化粧品と請求書が入っていた。注文した覚えはないし、送付元にも心当たりがない。家族に聞いても誰も頼んでいないと言う。どうしたらよいか。
事例7-2
自宅の郵便受けに荷物が国際郵便で届いていた。送付状の宛名や住所は私のもので間違いはないが、差出人については記載もなく分からない。誰からか分からない荷物なので、気味が悪くて開封していない。
解説
- トラブルに巻き込まれないために、身に覚えにない商品は受け取り拒否をしましょう。また、家族が注文した、親族・友人などからの贈り物、懸賞の当選品といった可能性もありますので、一度、受け取りを保留し、確認してから受け取り拒否、もしくは再配達を依頼するといった方法もあります。いずれの場合も伝票番号や送り主、商品名などをメモしておきましょう
- 受け取っても、誤配送や未開封の商品であれば、受け取り拒否できる場合があるので、開封前に荷物が届く心当たりや商品名、宛先、送付元などを確認しましょう。引き取り可否は配達業者に問い合わせてください
- クレジットカードの利用明細に不審な請求はないか確認するようにしましょう
- 受け取った(受け取り拒否ができなかった)商品を処分する際は、送り主や連絡先、商品等を写真に撮る、届いたときの状況をメモするなど「一方的に送り付けられた商品」である証明を残しておきましょう
- インターネットを利用した通信販売のサイトが悪質で、注文した商品と違う商品を送ってくるケースがあります。通信販売などで未達の商品がある場合、その可能性はないか確認するようにしましょう。なお模倣品などを海外へ返品(輸出)すると、関税法上問題になる恐れがありますので、海外への安易な返送は避けてください
事例
「近所で屋根工事をしていたら、お宅の屋根瓦が落ちそうになっているのが見えた。無料で点検してあげます」と業者が訪問してきた。点検してもらったところ、「瓦がかなりずれている。このままにしておくと雨漏りする危険があるので、至急、修理が必要です。今回の屋根の瓦のずれは、先日の台風で生じたものなので、損害保険から保険金が支払われ、少額の自己負担で修理できます」と言われたので、急いで契約した。後日、工事代として150万円の見積書をもらったが、保険金は30万円しか支払われないことが分かった。120万円も自己負担できないので工事のキャンセルを申し出ると、「解約料として保険金の30パーセントをもらう。契約書に書いてある」と言われた。
解説
業者が「無料で屋根を点検します」と訪問し、点検後に「すぐに修理が必要です。損害保険を使って、ほぼ自己負担なしで修理ができます」などと「保険金が使える」と勧誘する住宅修理サービスに関する相談が増えています。保険金で全ての住宅修理ができるわけではありません。
消費者へのアドバイス
- 「無料だから」「ついでに他の場所もサービスで点検する」と言われても必要のない点検は安易に依頼しないよう気を付けましょう。また、「保険金で安く修理ができる」「今日中に契約するとさらに割引する」「保険申請を代行するので、すぐに修理を」などと契約を急かされても、すぐには契約せず、複数の事業者から見積もりを取り、慎重に比較・検討しましょう
- 勧誘を受けた時点では、「保険金が支払われる」とは決まっていません。保険金が支払われるかどうかは、損害発生の原因や保険契約の内容によります。また、保険金が支払われたとしてもごく少額の場合もありますので、契約する前に、自身が加入している保険会社や代理店に保険契約の内容についてよく確認しましょう
- 訪問販売による契約は、法定の契約書面を受け取った日から8日以内であれば、契約を無条件で解約できる「クーリング・オフ」が可能となります
事例
数日前、いきなり業者が訪問し「ガス給湯器の点検に回っている」と言われたので話を聞いてしまった。業者は道路から給湯器を見た様子で「すぐに交換しなければ危ない」と言ってきた。最近交換したばかりなので不審に思ったが、もし不具合がありお風呂にも入れなくなったら大変だと思い、承諾してしまった。費用は約50万円だという。高額だし不審なのでこの契約をやめたい。
解説
無料点検に来たと言って来訪し、「すぐに交換や工事をしないと危険」などと言って、商品やサービスを契約させる「点検商法」の被害の相談が多く寄せられています。
点検後に消費者の不安をあおって契約をさせたり、工事などを実施する手口です。一度契約すると、次々と別の契約を迫られるケースもあります。また、事業者には、勧誘の際に、販売が目的の訪問であることを消費者に明示することが法令で義務付けられています。
消費者へのアドバイス
- 点検を口実に訪問し、消費者の不安をあおるなどして新たに商品の購入やサービスを契約させる手口です。安易に点検に応じないようにしましょう
- 点検後に商品の購入やサービスの契約を勧められても、その場ですぐに応じないようにしましょう。不安な場合、本当に必要か契約先のガス事業者やハウスメーカー等に相談しましょう
- 購入・契約する場合は、複数の事業者から見積もりを取ることが大切です
事例
「近所で下水道工事をした。ついでに近所の家の排水枡に害虫駆除の薬剤を無料で散布している」と業者が訪問してきた。そのため、散布してもらったところ、業者から「枡から水漏れしていて、水漏れのためお宅の地盤も緩んでいる」と言われ、慌てて枡の交換を依頼した。
さらに、枡の交換工事のとき「老朽化が著しい。全ての枡と配管をやり直し、土壌改良からやる必要がある」と言われたため、配水管・枡改修・土壌改良に係る多額の契約をしてしまった。
解説
家屋に関する不安をあおる点検商法です。特に近年は、屋根工事、分電盤、給湯器、配水管など派生している傾向が見られます。
消費者へのアドバイス
- 「無料だから」「ついでに他の場所もサービスで点検する」と言われても必要のない点検は安易に依頼しないよう気を付けましょう。また、「契約を急かされても、すぐには契約せず、複数の事業者から見積もりを取り、慎重に比較・検討しましょう
- 防犯の観点から、突然訪問してくる事業者はインターフォン越しで対応するようにしましょう。また、自宅に入れる必要はありません
- 訪問販売による契約は、法定の契約書面を受け取った日から8日以内であれば、契約を無条件で解約できる「クーリング・オフ」が可能となります
事例11-1
トイレが詰まってしまい、ネットで検索し「10分650円から」と記載がある修理業者に電話したところ、すぐに作業員が来た。「修理をしてみないと費用はわからない」と言われたが作業を依頼した。作業員は、「排水管が詰まっている」と言って、圧力ポンプやファイバースコープ、薬剤を使ったりした。作業終了後に16万円を請求され「高過ぎないか」と聞いたが「他社なら20万円かかる」と言われ、支払った。やはり高額だと思うので返金してほしい。
事例11-2
夜にゴキブリが出たのでネットで駆除業者を調べて連絡したら、「費用は現場を見て見積もります」と言われ、自宅に来てもらった。「今後1年以内は無料で駆除する」と口頭で言われ9万8,000円の契約をし、駆除してもらった。その後、またゴキブリがでたので無料のつもりで駆除を依頼したところ、別の作業員が来て「前回の契約に1年保証は付いてないので、作業ごとに費用が発生する」と言われた。20万円の1年間無料保証付きコースを10万円引きにすると勧められ、さらに10万円支払った。クーリング・オフできるか。
解説
トイレの修理、害虫駆除、ロードサービス、鍵の開錠など事業者に対処を依頼するレスキューサービスは、緊急を要する場合が多く、ネットなどを見て慌てて修理を依頼してしまいがちです。すぐに対応してくれるサービスは確かに便利ですが、利用には注意が必要です。
消費者へのアドバイス
- 「〇〇円から」などインターネット上の広告等の安価な値段に安易に飛びつかないようにしましょう
- 水回りのトラブル、害虫などの駆除作業は一様ではないため、広告の表示や電話での説明のとおりの料金になるとは限りません。中には「今現金で払えば〇万円値引きする」など支払いを急かすケースもあります(レスキュー商法)
- 契約を強要される、次々と高額な作業を提案されるなどの場合は特に注意が必要です。「今修理しなければ大変なことになる」など、不安をあおるケースもありますが、落ち着いて対応しましょう
- 普段から急を要するトラブルに備え、安心して依頼できる事業者の情報を集めておきましょう
- クーリング・オフができる場合もあります。勧誘や契約内容に納得できない場合は、作業後でもその場で料金を支払わず、消費生活センターにご相談ください
事例
ある日突然、「不要な貴金属を買い取ります。アクセサリーでも見せてほしい」と業者が訪問してきた。母親から貰った金のネックレスを見せたところ「これは不純物が混ざっている」と言って、5千円で買い取って行った。
後日、母親にそのことを言ったら、「あれは良い物で高かったのよ」と言われた。クーリング・オフはできるのか。
解説
「訪問購入」は、改正特定商取引法(平成25年2月21日施行)で規制の対象となりました。具体的には
- 不招請勧誘(飛び込みの勧誘など)の禁止
- 業者の連絡先や解約などを記載した書面の交付
- 物品の引き渡しの拒絶に関する告知
- 8日以内のクーリング・オフ
などのルールが定められました。
また、改正埼玉県消費生活条例(平成25年7月1日施行)では、改正特定商取引法で適用除外とされている着物、中古車、書籍なども含め、全ての物品・権利の買取り型取引が規制の対象になりました。
法律や条例による消費者保護規定に加え、トラブルを避けるために、次の点に注意しましょう。
消費者へのアドバイス
- 突然の業者訪問は禁止されています。電話などで訪問したいと言われても、買い取ってもらうつもりがないなら、きっぱり断りましょう
- 不要な着物の買い取りに来た業者が、同時に貴金属の買い取りの勧誘をするなど、当初の目的外の勧誘をすることは、法律で禁止されています
- クーリング・オフができますが、一度物品を引き渡すと取り返すことは困難です。クーリング・オフの8日間は物品の引き渡しを拒むことができますので、手元に置いておきましょう
- 古物を買い取る場合は、「古物商許可証」や「古物商行商従業者証」を携帯しなければなりません。話を聞く前にこの許可証の提示を求めましょう
- 強引な勧誘を受けたり、断っているにもかかわらず居座ったり、「貴金属を出せ」と強く迫られるなど不安を感じたときは、警察や消費生活センターに相談してください
事例13-1
柔軟仕上げ剤を使用し、室内干ししたところにおいがきつく、咳が出るようになった。柔軟仕上げ剤を使用したタオルで顔を拭くと咳が止まらなくなった。メーカーに連絡すると、柔軟仕上げ剤を持参して医師の診察を受けるように言われたのでそのとおりにした。アレルギー反応が低かったため、原因不明とのことで、複数の薬を処方してもらった。
事例13-2
最近、香りが長く持続するような柔軟仕上げ剤が販売され使用している人が多く、近隣の洗濯物や電車内などで、香り付きの柔軟仕上げ剤の香料によって頭痛や気分が悪くなることがある。化学物質過敏症に苦しむ人がいることを知ってほしい。
解説
柔軟仕上げ剤は、衣類をソフトに保ち、傷んだ繊維を柔らかくすることをうたったものです。部屋干しの臭いや汗の臭いなどを抑えるための微香タイプから、近年では、芳香性を工夫した商品の品ぞろえが広がっています。
一方、「柔軟仕上げ剤のにおい」に関する相談件数は、全国で増加傾向にあります。相談の中には、体調不良になったという相談もあります。
消費者へのアドバイス
においの種類や強さの感じ方には個人差があり、自分が慣れたにおいは、感じにくくなり、使用量が徐々に増えることがあります。自分にとっては快適なにおいでも、他人は不快に感じることもあるということを認識しましょう。
事例
アメリカに旅行するために、ESTA(電子渡航認証システム)を申請しようとネットで検索をして、一番上に表示されたサイトで申請を行った。後日、申請費用のクレジット決済をした明細を見ると、所定の費用の数倍が請求されていた。そのため、サイトをよく確認したところ、公式サイトではなく、申請代行サービスを行う事業者のサイトだった。申請手続は確かにできたが、サイトの作りが公式サイトとよく似ていて紛らわしい。自分で公式サイトから申請すれば高額な手数料を支払う必要はなかった。手数料を返金してもらうにはどうしたらいいか。
解説
「ESTA(エスタ)」とは2009年1月より導入された、アメリカ国土安全保障省による電子渡航認証システム(Electronic System for Travel Authorization:ESTA。いわゆる電子ビザ)の名称です。日本を含む、全てのビザ免除プログラム対象国の渡航者は、事前に電子渡航認証(ESTA)を取得することが義務づけられています。
申請は、アメリカ国土安全保障省のウェブサイトを通じて行います。(参考:外務省ホームページ)
また、アメリカのESTAだけでなく、カナダのeTAやオーストラリアのETAといった電子ビザの申請手続きについても同様の相談が寄せられています。
消費者へのアドバイス
- インターネットで「ESTA」「eTA」「ETA」などと検索すると、申請代行サイトが検索結果の上位に表示されることがあります。申請代行サイトを通じて申請を行うと、正規の申請費用の他に、代行手数料が請求されるため、各国政府の公式サイトで申請した場合より、費用が高くなる場合があります。ご自身で直接申請することを希望する場合には、公式サイトか否か十分に確認してください。
- 申請代行サイトを利用する場合には、申込みをする前に、相手方や契約内容、料金を十分に確認してください。申請代行サイトは海外の事業者である場合も多く、また「申請手続き後のキャンセルには応じない」旨が利用規約に定められています。このため、一度、申請手続きを行うと、解約・返金の交渉は困難です。
この記事に関するお問い合わせ先
くらしの安全課 消費生活担当
所在地:〒344-8577 春日部市中央七丁目2番地1
電話(直通):048-739-6833
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更新日:2025年06月13日